上棟式について、

上棟式は、棟上げ式・建前(たてまえ)とも呼び、無事に建物の棟が上ったことを喜び、感謝するもので、儀式というよりは、建築主が工事関係者をもてなす祝い事ともいえます。

一般住宅では、地鎮祭と違い、神主さんを呼びません。

工事責任者が音頭をとって、進行します。
その家を、責任を持って担当する、大工の棟梁を中心に、棟梁の下でその家を担当する大工がメインです。
上棟の時には担当する大工以外に1~2日程度の同じグループの応援の大工がきます。
また、基礎を担当した人などの工事関係者が一同に会し、今後の工事の無事安全竣工、満足なるお引渡しができることを願って、協力して家を創り上げていこうという会です。

大工で、応援にきてもらうということは、その応援の大工が棟上げするときは逆に、応援に行かなければなりません。
通常、大工は、お金ではなく、同じ日数の労働で返します。
これで貸し借りなしになります。
このしきたりを崩すわけにはいきませんので、常時、その家の仕事だけをすることにはなりません。
上棟が連続するときは、順番に応援に行きますから、その間は現場を空けることになります。
このあたりは、建築主と住宅会社でよく打ち合わせしておかないと、自分の家に職人が入らず、工事が進まないというクレームになることがあります。
建築主にとっては、自分の家が100%です。
工事担当者にとっては、多くの現場の中の1つです。
ここに問題点の多数が集約しているように思います。
また、住宅会社の決算期の都合、他の現場の入居の都合などの多くの条件が影響してきます。
そのあたりのコミュニケーションによる納得が必要です。


上棟式に建築主が用意するものの例。
地方により異なりますから、詳細は建築会社と相談するとよいでしょう。
暦から良い日を選ぶ必要があります。
建築主が日をきにしなくても、建築主の親戚の方からクレームがつき、変更になることは多々あります。
建築主の休みを優先するか、日を優先するか、両方とも満たすために、工程を調整するか、打ち合わせをして納得する必要があります。
時間はその日の仕事が終わった夕方から始め、約1時間です。準備の都合上、事前に人数を把握する必要があります。
約10人前後です。
ただし、職人の場合は若干の人数変更になる場合が現実にあります。

①塩・洗い米・お神酒
②飲み物(ビール・茶・ジュース)・料理(おつまみ)、折詰めなど
③工事関係者への祝儀(1人当たり5,000~20,000程度)

棟梁とその他応援の大工さんとは差をつけるのが通常です。
上棟式の場合は地鎮祭と違い、工事関係者の出席者全員に祝儀が必要となります。
応援の職人さんにも必要です。
車でくる場合が多く、昔のように、飲んで騒いでということはありません。料理・折詰め類は省略して、祝儀がメインになっていることも多いです。
酒宴といっても、飲酒運転で交通事故を起こしても困りますから、形式のみで、おつまみとお茶で、簡略にしています。
ただし建築主と工事関係者のコミュニケーションは必要です。

建物の中で、合板材料などで簡単にテーブル・腰掛をつくります。


上棟式の進行の例:
①棟木に幣串(建設会社が手配)を立てる。地鎮祭のお札とも。
②工事責任者の音頭とりで、幣串に向かって、二礼二拍一礼
③工事責任者と建築主で、建物の四方と中央に、お神酒・塩・米を撒いて清める。
④工事責任者の挨拶の後、乾杯。宴会へ。
⑤棟梁を始め、工事関係者の紹介(建築主の挨拶)
⑥建築主から職人へ、祝儀を手渡す。
⑦お開き

上棟式終了後、幣串・お札は雨に濡れてはいけないので、屋根仕舞い完了まで保管し、屋根仕舞い完了後、棟木か棟束に設置します。
家のある限り永久に残ります。

上棟幣串


上棟式は、建築主と職人のお互いの人柄を知る機会になります。
お互いの顔が見えて仕事をする方が、信頼関係が深まり、住まいに対する思い入れも深まることでしょう。
都会では、上棟式を行なわない場合も普通になってきました。
建築主の考え方によるもので、必ずしなければならないものではありません。

建築主にとっては、手間とかなりの出費になりますが、これから、数十年に渡って、暮らしていく、住まい造りには多くの人の手が入ります。

単なる器としての家ではなく、人と人のつながり、心の豊かさを育む、住まい創りを願って、感謝の気持ちも必要かと思います。