準防火地域と準防火仕様になっている部位の確認


建築する敷地のエリアによって、要求される防火性能レベルが変ります。

一般の住宅を建築する場合で問題となるのは、準防火仕様かどうかです。
その敷地によるものであり、我々が勝手に選択できるものではありません。
その敷地が、準防火地域に該当するならば、建設する建物に、防火面の制約が加わります。

敷地境界線から1階では3m、2階では5mの範囲にある部位が該当します。
その範囲の防火性能をアップしなければならないわけですから、コストはアップします。
広大な敷地の豪邸では問題ないかもしれませんが、通常の街中での建設では、ほとんどの個所で該当することになります。
狭小地であれば、建物の全部が該当することになります。
この場合には、準防火仕様の部品部材を使用します。

サッシのガラス:網入りガラス6.8㎜を採用
サッシの防火性能が必要であり、サッシ枠の断熱性の良いプラスチックサッシや木製サッシは使用不可です。
シャッター、玄関ドア、勝手口ドアなども防火性能が必要です。
軒天換気口、床下換気口、各種換気扇は防火ダンパー付きです。
外部の木部は化粧では見せられない。
これらの変更をしなければなりません。
自分の建物だけが変更しなければならないものではなく、新築する場合には、すべての人が守らなければならないルールです。

ただし、防火性能をアップしたからといって、建物が火災を起こした場合、被害が少ないかといえばそうでもありません。
火災がおこった後、そのまま復旧できる可能性はそんなに高くはありません。
火災発生時に、逃げる時間が稼げるから安全性が高まるという程度に解釈して下さい。

私は建築主の失火の場合、建築中に放火された場合、隣家の火災に巻き込まれた場合などを経験していますが、消防車が到着して、消火活動を開始するまで、いくら速いとはいえ、それなりの時間が経っています。
大半の場合で解体撤去して、建て直しになります。
そのまま改装して済むレベルではありません。

基礎のコンクリートも熱による損傷をうけていますから、見た目は変わりなくとも、強度上・建築主の気持ちから、無理があり、解体という運命を辿ることになりました。
敷地が狭く、建物の近くの廃棄物置場に放火されたものの、消防署が到着する前に、近所の方が直ぐに消火してくださった運のよい場合もありました。
これは外壁サイディングの張替えだけですみました。


ちなみに火災を受けた建物の解体費用は、通常の解体よりもコストが大幅に上昇します。
火災の残骸の匂いと、消火の水がかかっており断熱材などもぐちゃぐちゃで、非常に汚れた状態になるからです。
確かに火災現場の解体作業を見ていると、実に大変な作業です。


火災現場