工期短縮の是非について、

建設業の場合、工期ということが非常に重要になります。

一般にQ・C・D(品質・コスト・工期)と並び称されるように、品質やコストと同格で重要です。

契約段階で、決められた期日までに、建物を竣工させ、引渡ししなければなりません。
この工期に住宅会社側の都合で、遅延した場合にはペナルティーが課されます。

工事請負契約約款によって決められており、遅滞日数1日につき、請負代金額から、工事の出来高部分と検査済みの工事材料・建築設備の機器に対する請負代金相当額を控除した額の4/10,000に相当する額の違約金を請求することができることになっています。
言葉が難しいですが、意味するところは、工事が遅滞して、残った工事金額の4/10,000を毎日支払うことになります。
最終日はゼロになります。


工事請負金額2500万円の住宅の場合、契約の引渡し日に30%残っていたならば、750万円の4/10,000つまり、1日が3000円になります。
この金額が少しずつ減少し、最終日がゼロになりますので、20日間遅滞したならば、3000×20÷2=30,000、合計3万円のペナルティーとなります。


一方、逆に、建築主が工事費用を支払わない場合は、同額のペナルティーが課されます。
双務契約と呼ばれるもので、建築主と住宅会社は双方対等の立場です。
建物の引渡しと、お金の支払いとは同時に履行するものです。

しかし、厳密にいうと、建築主・住宅会社のそれぞれの責任で、工期が遅滞する要素は無数にあります。

建築主側の責任:追加変更・立会い日の遅れ・決定の遅れ

施工者側の責任:図面の遅れ・確認申請許可の遅れ・材料の遅れ・職人の遅れ・残駄目工事の遅れ

のような点があり、完全な状態にすることは非常に困難です。


家1軒を創り上げていくわけですから、問題点が1つも無かったということは、絶対にありません。
問題点の1つや2つ、10個位あるいはそれ以上におこります。その中で、建築主と住宅会社側が立会い、打ち合わせしながら納めていきます。

契約段階での、工期設定には難しいものがあります。
余り余裕を見過ぎて、仕事が片付かないと効率面で問題です。間伸びして、職人が入らずに空きの状態になり、結局最後に突貫工事になってしまう場合もあります。
余裕がないと、効率的ではあるのですが、満足感の得にくい結果になります。
適正な余裕が欲しいわけです。
竣工後から引渡しまでの期日が充分あれば、心の準備もでき、満足感は高まります。

竣工と同時に引渡しを行なう、行なわざるを得ない場合もあります。
工期が遅滞したためです。
建築主の立会い検査において、残駄目工事が多い状態になります。
工期に間にあわせるために、ペナルティーを支払わないようにするために、強引に引渡し体制にもっていきます。
会社ですから、ペナルティーの支払いには稟議書類の作成・人事評価・査定に影響しますから、何が何でも引き渡すことになります。
住宅会社の仕事が集中する時期、つまり中間決算期・本決算期・入学時期などにはこの傾向があります。

民間会社ですから、最高の仕事量を基準に、人員配置をおこないません。
会社にもよりますが、どちらかというと、仕事の少ないときを基準に人員配置を行い、忙しい時には、何とかすることが多いようです。
何ともならない場合もあります。

仕事が集中する時期には、無理をして、時には無理を通り越して無茶になっている場合もありますが、残業と休日出勤をバンバンやって、仕事をこなします。
管理職という名目のサービス残業の場合もあるでしょう。

充分な自主検査・社内検査を行なって、手直し工事が完了した後に、建築主立会い検査であれば、指摘事項もほとんどなく、気持ちのよい検査になります。
このような体制で仕事をしたいものです。
そして、堂々と残りのお金を請求し、建物を自信をもって引渡したいのが住宅会社の各担当者の気持ちです。
これは建築主の気持ちも一緒だと思います。


微妙な問題になりますが、意地で契約工期を遵守させるよりは、多少の融通をきかせた方がよい場合もあります。
気楽に話合いができる状態でありたいものです。