隣地500㎜以下の同意書について、

隣家とは、もともと連棟式の建物で、建替えのときも、少しでも広く間口をとりたい場合です。
お隣と話をして、施工できる範囲で、接して建てたいわけです。

隣地境界線から500㎜未満のところに、建物を建築することは民法第234条により、原則不可です。
この500㎜という寸法は建物の外壁の中心線ではなく、外壁の仕上げ面つまり、有効寸法になります。
境界線の方は例え、ブロック塀が境界の芯に積んであっても、境界線から計ります。

しかし、連棟式つまり、1棟で2戸の建物を、片方だけ建替えする場合などは問題がおこります。
誰しも前の家になるべく準じて、できるだけ間口を広くしたいものです。
片方を解体した後、相手側の建物の全面を外壁補修します。
補修の仕上げをする厚み分だけ狭くなります。
後からではスペースが無くなりますから、この機会を逃したら施工できません。
ちなみに、敢えて相手側の建物の補修費用を負担する場合もありますが、補修費用を負担しなければならないというわけではありません。
本来は、相手側が施工すべきものですが、片方だけ建替えるために、他方になるべく迷惑をかけないように、建築する側が一応の補修工事を行なう場合もあります。

当然のことですが、連棟式の建物の片方を建替える場合は間口が狭くなります。
相手側も全面壁ですから、無理やり500㎜空間をとったところで、使い道のない空間になります。
相手側が建替える場合にもお互い様ということで、できるだけくっつけて建てましょうということになります。
その場合は相手側の了承を取り付けておく必要があります。
同意書という書類を取り交わしておくと、後々問題が生じません。
うやむやにしておくと、将来の代替わりした場合などにトラブルの可能性があります。
基本的にはお互い様という主旨です。


逆に、境界線に既に隣家が建っている場合の施工は、結構難しいです。
建て起こし」という特殊な手法を使います。

建物を建てるときに、隣接地に面する壁面のみは、建てる時点で、サッシ・防水紙・サイディング・シーリングなどを全て施工しておき、レッカー車と呼ばれる移動式クレーンで一気に吊り上げる工法です。

一旦建ててしまいますと、当然後から足場を設ける隙間は勿論のこと、職人が入ることのできる隙間はありません。
市街地の中の工事ではよく見受けられる工法です。
移動式クレーンで吊り上げるわけですから、途中で無理な力が加わり、多少のズレでシーリングの不具合・サイディングの浮きが生じるかもしれません。
したがって、外壁材メーカーなどは保証してくれませんので、住宅会社が保証することになります。
しかし、一応納めることができます。
いずれにしろ後から修正を行うことができませんので、これで完成になります。

隣接建物がほとんど接触しているために、風が吹くこともなく雨が漏れることはまずありません。
ただ、隣接地が将来解体された場合は、その際に充分な点検および、適切なメンテナンスが必要です。