隣地1m未満の窓について、

敷地境界線から1m未満のところに窓を設ける場合には、目隠しを取り付けることが、民法第235条により決められています。
隣家に面する側の窓は、気まずい思いをしたくないので、すべて不透明のガラスにする場合もあります。

別に隣家を覗きたいわけでもなく、だからといって隣家から覗かれたくもないので、お互いが、相手側を観望しなければ良いわけですから、窓ガラスは透明ガラスではなく、不透明の型板ガラスにするなどの配慮は必要でしょう。
隣家の窓の前が、我が家の窓という場合も珍しくありません。敷地の制約・プランの制約によって起ったのでしょうが、双方が住みにくくなりますので、配慮すべき点です。

入居後に気まずくなって、窓を閉めっぱなし、シャッターを閉めっぱなし、カーテンを閉めっぱなしにするなどの場合もあります。
先に建設された家の窓の位置を確認して設計するとよいのですが、現実には、住宅会社の営業担当者が測量してきたものを、隣家の窓の位置を記録しないことも少なくありません。
設計担当者が、近隣状況に配慮することなく、その敷地単独で設計する場合があります。
現場を見ることなく、設計という作業をこなすことになります。

ここに問題が発生する原因があります。
原則的には、現実に、現場で、現物を見るというステップを丁寧に踏まないといけません。
ついベテランになってくると、大体は敷地を見なくても、営業担当者の行なった測量と、営業担当者の撮影した現場写真で判断可能です。
見なくても判るわけです。
しかし、これは大体解るだけです。
微妙なところはやはり、自分の目で見るしか方法はありません。

建築主が設計を依頼する設計担当者との相性は当然、必要ですが、現実に建築主の敷地を見たかどうかを確認すべきでしょう。
ここを手抜きするような設計担当者はどこかで、問題を引き起こす可能性があります。
これらの失敗経験を元に成長した技術屋は多いです。
成長の過程で、失敗した経験がどうしても必要なのです。

気まずさに嫌気がさして、目隠しの取り付けを相手側に要求するのも嫌なものです。
隣家との人間関係が崩れていきます。
逆に、建築主側で、自分の土地に、自分の費用負担で、相手の窓の前に、目隠しを設置する場合もありますが、相手側からすれば、あまり気持ちのよいものではありません。
長く居住するのは建築主であって、設計担当者ではありません。
近隣配慮、特に隣家との関係は重要です。
現実に永く居住する建築主が気まずい想いをすることのないように配慮するべき点です。


窓の位置が最初から、ずれておれば、ガラスを型板ガラスに変更するだけで納まったという場合も少なくありません。
隣家との関係では、穏便にすまして問題を大きくしたくはありません。


問題を事前に承知して、技術屋が建築主に対して、充分な説明と理解を経た上で、決定すべきものです。
それでもなお、自分の権利であるという主張をされ、納得されない建築主の場合もあります。
そのようなステップがあれば、後で隣家からクレームがあったとしても、検討した結果ですから、想定の範囲内ということです。
建築主も納得すると思います。
そのステップがなければ、プロとしての適切なアドバイスを怠ったことになります。
隣家との人間関係が崩れ、それでも永く居住しなければならない建築主の身になるとつらいものがあります。