高断熱化について、

住宅の高断熱が問題となりますが、断熱材の位置・厚み、劣化、耐火、シックハウス、結露、発ガン性、施工精度等いろいろな問題があり、これらが複雑に絡み合っています。

建物の種類と断熱材の位置などの関係について、建物の外壁の一部と断熱位置の確認です。
「外断熱」という言葉があります。
外断熱が理想的だとも説明されます。

木造建築に施す場合

①充填断熱
構造体である柱や間柱の間の壁内部に断熱材を充填する一般的
な方法です。
木材自体も断熱性能が良い部材であることから、ヒートブリッジ(熱橋、鉄骨など熱が伝わりやすい部材)がないのが特徴です。
躯体の空間を有効利用できるので、構造の大幅な変更を伴うことなく、比較的安価に高い断熱性を実現できる。

②外張り断熱
躯体自体の熱容量が大きくない、構造の外周部に外気側から断熱材を張り付ける方法で、寝袋に入るような効果が得られる。
RC建築に施す場合、コンクリートは断熱性能では劣ります。

③内断熱
内側から現場で発泡ウレタンを吹き付けるなど、施工が簡単で低コスト。

④外断熱
RC造のように重い壁材に対して断熱材を外部に取り付ける断熱です。
大きな熱容量を持った躯体の蓄熱効果による室温安定性と、躯体を日射から守ることで、構造体が室内温度となり、外気に影響されないため、耐久性に寄与する。
北海道では、冬場に室内では、ランニングシャツにステテコ姿で、冷たいビールを飲むと聞いたことがあります。
いかに外気が厳しい条件であっても、室内は、暖かくしなければならないのが条件です。
これは、室温が暖かくかつ一定に保たれているからできることです。
外断熱の問題(外張り断熱を含む)
外断熱を採用するということは、RCの蓄熱効果が期待されますが、外断熱(+外張り断熱)を考える上で、いくつか検討しなければなりません。

(1)生活習慣
日本には、欧米のように暖房機を常時つけておく習慣は、北海道などのような寒冷地を除き、ありません。
一般的な生活習慣では、リビングの1部屋のみを灯油ストーブで暖房します。
燃料代が勿体無いです。
二酸化炭素と同時に大量の水蒸気も放出します。
夜寝るときは暖房を切り、明け方は、家全体が冷えてしまっています。
朝起きるときは寒くつらいです。
全室暖房ではありませんので、部屋間にも温度差が生じることになります。
当然、結露になります。
オフィスでは、朝出勤時に暖房を入れて夕方退社するときは暖房を切ります。
このような条件で外断熱を採用すると、午前中は、RCコンクリート全体が暖まるまでは壁・床・天井からの冷輻射熱などで寒く、午後になってようやく暖まってくると、もう退社の時間となり暖房を切ってしまうため、せっかく暖まった蓄熱効果も、明け方には冷めてしまいます。

(2)施工、下地の問題
断熱材は、少なくても50~100ミリメートル程度になります。
そして、その外側に外装材が必要なのですが、それを支える部材の問題です。
外装材には自重だけでなく、強い外力がかかりますので、それなりの強度のある長いビスが必要なのですが、強度がある部材はもちろん金属で、これが冷橋部になって、結露する可能性もあります。

(3)防火性能
建物を断熱材で包むのですが、この断熱材が燃えやすければ、問題があります。
一般に、発泡系断熱材は燃えやすい材料といえます。
外装材も含めて防耐火認定された材料を採用します。

(4)その他
発泡系断熱材は切断が簡単で、施工性は良いのですが、経年劣化の問題があります。
変形や痩せてしまったりすると、すき間ができて断熱性が落ちます。
発泡系の断熱材を選択するときに限らず、使う用途に合わせた材料を選択する必要があります。
一方、燃えない断熱材であるグラスウールやロックウールでは、雨水・内部結露水のため、毛細管現象により吸込む危険があります。
しかし、ほとんどの繊維系断熱材は、撥水処理がされており、湿気の排出効果もあり、乾燥は早いです。
もっとも、外装材裏面に雨水が回り込むとか、内部結露水が存在することは、断熱材全般の問題ですから、通気工法が条件となります。