カビの発生について、

建築には本体建築そのものと、各種設備が含まれています。

日本の高温多湿気候において、住宅のアメニティー(快適性)を確保する際、本体建築そのものだけで対処するには無理があります。
本体建築で対処できない部分には、設備にも期待したいところです。


特に、外部環境の影響を受けやすい、コンクリートやガラスが多用される建築においては、換気・除湿などの設備面での対策を取ることが必須条件となります。

RC部分と、室内温度の差により、気温が低いほど、空気中に含むことのできる水分が少なくなる特性から、露点温度以下になった場合、結露が生じます。
冬場には外気が寒く、室内が暖房で暖かく、温度差があります。
夏場は外気が暑く、室内が冷房で涼しく、温度差があります。したがって、温度差が大きくなる冬・夏ともに結露が生じ易い状態になります。


地下室内での結露やカビ発生の一般的な原因として下記が考えられます。
①地下室を構成しているRC構造体を通して、土中からの漏水による地下室内の湿潤。
②コンクリート打設後に、コンクリート余剰水分の蒸発過程における地下室内の湿度上昇。
③コンクリート表面での蒸発潜熱による表面温度の低下に伴う結露発生。
④熱容量の大きいコンクリート周壁の外部は土で囲まれ、外気に比べて地下室内の気温変動は小さく、梅雨から初秋にかけては地下室内が涼しくなっている。
その時期に外部からの高温多湿な空気が地下室内に導入されると、地下室内の表面温度が低いので、結露・カビの発生が生じやすくなる。
⑤地下室内で換気不足の場合には、ヒトからの発汗による水蒸気がこもり、室内の湿度を高める。


カビ発生の原因ですが、下記の2点が複合したものと考えられます。
①コンクリートの特性として、ポーラス(多孔質)な材料であるがために、コンクリート打設後、2、3年程度は水分が放散され、その後は平衡状態になります。
コンクリートには、本来、硬化するために必要な水分以外に、ワーカビリティー(施工性)を確保するために、余剰水が含まれています。
この余剰水がないと施工ができませんので、必要なものです。この余剰水は一気に乾燥させることなく、湿潤養生しながら、徐々に放散されることがコンクリート強度には望ましいものです。
この水分が湿度を押し上げ、結露になり、カビの発生につながります。

②コンクリートの特性として、熱を通し易いという点があります。
地下の土に接している部分は比較的外気温の影響を受けることが少なく、1年を通じて、日較差・年較差の少ない状態です。一方、土に接していない部分は外気温度そのものの影響により、日較差・年較差の大きい状態になります。
この外気温度の影響を受けるコンクリート部分と、室内の温度との差により、気温が低いほど、空気中に含むことのできる水分が少なくなる特性から、露点温度以下になった場合、結露が生じます。
居住する場合には一般に、エアコンの使用により、冬場には外気が寒く、室内が暖房で暖かく、温度差があります。
夏場は外気が暑く、室内が冷房で涼しく、温度差があります。したがって、温度差が大きくなる冬・夏ともに結露が生じ易い状態になります。


これらに対処するには、設備面で、換気・除湿が必要になります。
ただし、夏場(6から9月には外気の湿度が高い状態であり、換気よりも除湿を重要視し、夏場以外の季節は24時間換気の運転で可能と考えられます。
また、現在では新築住宅を建設する場合、24時間換気が義務付けられております。

夏場の、過度の換気は高湿度空気を取り入れることになり、結露に対して、マイナス効果になる場合があり、除湿機を設置・稼動させることが必要です。

地下室などRC建物の場合は、計画段階で、結露の可能性を説明し、除湿機としてのエアコンを設置することを提案することが必要です。