屋根の下葺き材の性能と張り方です。

一般的に屋根の下葺き材として使用されるものは、「アスファルトルーフィング940」です。
通常の屋根勾配(3寸~6寸)で、問題の少ない、一枚屋根のような場合です。
トップライト・ドーマー・煙突・換気トップ・下屋・谷などの、取り合いがある場合は、雨漏りに関しては、条件が悪くなります。
当然、雨漏りに対する追加対策を、講じる必要があります。

例えば、問題箇所の周囲のみ、増し張りとして、2重にアスファルトルーフィング940を増し張りするか、レベルアップした改質アスファルト(性能を上げるために合成ゴム・プラスチック樹脂などを添加したもので、通称ゴムアスといいます)や粘着性のある防水紙を使用します。

張り方は水が流れやすいように、水の流れる下から先に張ります。
そして順次、水上に向かって張ります。
アスファルトルーフィングの重なりは流れ方向100㎜、横方向200㎜が標準です。
水を受けずに、滞留させずに、速やかに流してしまうというのが基本的考え方です。

屋根材の下側に位置する下葺き材(アスファルトルーフィング940)の上にも、若干ですが水は流れます。
2次防水ということです。
1次防水としての見える部分、つまり屋根材でほとんどの雨水を処理しますが、若干は浸入します。
その浸入した雨水を2次防水で処理します。
2次防水で処理できない雨水が雨漏りになります。
少しでも水が溜まる箇所があれば、長い目でみると、問題が生じる可能性が高まります。

現場で水の流れに逆らって張ることは不可です。
水の流れは自然の法則に従い、正直です。
長い先には必ず問題が生じることになります。
特に雨漏りの保証期間は長期にわたります。
長期のスパンでは、正しい施工方法で対処しておかないと、時間の問題ということになります。

また、住宅メーカーの指定する有償点検と有償メンテナンスを実施すれば、さらに保証期間を延長します。
10年を超える長期間の保証をすることになります。
そして補償内容は雨漏りの修理は勿論のこと、そこにまつわるクロス仕上げの張替えに及びます。

勾配の緩い(3寸未満)屋根やR屋根(ドーム状、つまり最上部は勾配が無くフラット状態)が採用される場合があります。このような場合は当然、雨水の流れは悪くなります。
雨水の排出される速度が低下し、長く屋根に滞留しますから、雨漏りの可能性は高まります。
建築主が特別にこだわるデザインの屋根なら、施工面の対策で対応すればよいことです。
雨漏りの可能性やメンテナンスの費用を承知した上で、屋根形状・屋根勾配を決定すべきです。

雨漏りの条件の悪い場合においては、通常のアスファルトルーフィング1重張りではなく、2重張り(軒先・本体~下屋取合い・平棟・隅棟部分・谷部分などの部分的あるいは全面)にします。
または粘着性のあるルーフィング(片面粘着と両面粘着があります)等にレベルアップする必要があります。
またこの際には、屋根の流れ方向の長さが長ければ長いほど水の流れは悪く、長時間屋根に滞留することになります。
屋根材メーカーは屋根勾配によって、流れ長さを5~10mで制限しています。
この制限を越える場合には下葺き材をレベルアップするなどの個別対策が必要となります。
屋根に穴を開け、突起物(トップライト・ドーマー・煙突等)など障害となるものがある場合には、下葺き材の増し張りなどの補強対策が必要となります。

屋根工事