製本図面作成後の変更について、重要な点になります。

製本図面をいただきましたが、一部変更したいところがでました。
いつまでなら変更可能でしょうか?という質問が度々あります。

現場をスムーズに進めるために、重要なことです。

住宅現場の工事管理において、図面からの変更は、最も難しいことの1つです。
変更ぐらいで何が難しいのか疑問に思う方も多いと思います。工事担当者の頭が悪いのではないかと疑う建築主もいます。
著者である私も経験年数の浅い間はそう思っていました。
工事管理のベテランの先輩連中が変更で悩んでいる中、俺ならきっちりとやってやるぞという意気込みでした。


このことに関する問題点は2つあります。

1つは住宅会社における工事管理の仕組みです。
ゼネコンが行なうビル建設の管理は、工事担当者がその現場に常駐します。
その現場、常駐しながら管理するわけですから、いろいろな面で行き届くわけです。
ところが、住宅の場合は、決定的な違いがあります。
1人の工事担当者が複数の現場をかけ持ちします。
1件あたりの工事費用が、たとえば2500万円の住宅と、2億5000万円のビルならば、住宅の場合は単純に10件の現場を担当しなければならなくなります。
会社側の論理からすると当然のことでしょうが、建築主にとっては、その家が全てですから問題が生じます。
いつでも直ぐにその現場にいくことができないという問題です。
そして住宅では10件の現場が同じ進行状態ではありません。
着工準備中⇒地縄確認⇒基礎補強工事⇒基礎着工⇒上棟⇒造作中間⇒造作完了⇒竣工⇒引渡し⇒アフターフォローの間に、該当する現場が動いている現場です。


2つ目は重層下請け構造です。
コンセントの位置を移動する場合の例をあげますと、建築主⇒工事担当者⇒指定施工店の責任者⇒(指定施工店工事監督)⇒電気施工店の責任者⇒電気職人というように何人かを経由して変更が連絡されます。
これらのルートの、どこかの人のところで、勘違いや忘れが発生したならば、末端の電気職人は、その変更を知らないことになります。


よく伝言ゲームという遊びがあります。
最初の人から、最後の人に伝わった内容となると、当初とはかけ離れています。
これは遊びですから、かけ離れるほど面白いのですが、仕事はそういうわけにはいきません。

電気職人と馴染みになれば、現場で会えば「この変更を聞いているか?」という確認を行ないます。
ルートをショートカットするわけです。
あるいは、現場でその変更通りに実施されているかを確認します。

しかし、一般に変更に要する費用が発生しますので、その場合には原則のルートを通しておかないと、トラブルになります。職人がお金をもらえないということになります。
職人が変更に要するお金をもらえなくなるということは、今後に重大な影響を及ぼしますので、工事担当者としては、是が非でも避けなければなりません。

一端できた製本図面は施工店を経由して、末端職人まで行き渡っています。
大きな変更で図面が変わり、差し替えというようなことになりますと、どれが正しい最終図面なのか混乱するのです。
現実に仕事をする職人が、古い図面を持って一生懸命仕事をしている場合は珍しくありません。
決してレアーケースではありません。
本当に、古い図面を信じて施工しています。

製本図面作成後の変更②へ続く