木材の含水率について、

住宅に使用される木材の含水率として、
構造材は20%以下、
造作材は15%以下、
床板は13%以下と定められています。

そして2×4材料の含水率は、一般に19%以下と定められています。

2×4材料の19%の含水率とは、一般の木材では、25%くらいですから、かなり優秀といえます。
木材の場合は乾燥の程度により、割れ・反り・ねじれ・収縮などの不具合が発生します。
含水率が小さな値ほど、不具合発生の可能性は減ります。
2×4材料は、含水率19%という数字と、便利な材料ということで多用されています。


木材を外に放置しておくと、やがて空気中の湿度と平衡した状態に落ち着きます。
平衡含水率とか気乾状態と言われ、夏場で約18%、冬場で約13%、平均15%位です。
これくらい乾燥した材料を使用することができれば理想的です。
ちなみに生木は含水率50~200%です。
200%という数字はミスプリントではありません。


ここで含水率の定義を確認しましょう。
物質に含まれる水の量ということですが、完全に乾燥した状態との比較になります。

含水率%=(乾燥前重量―全乾重量)/全乾重量×100です。

一般的に、人間は67%が水分であるといわれます。
ということは、水分以外は33%ということになります。
水分と水分以外の合計が100%です。
これが水分のイメージだと思います。
しかし、含水率の定義にあてはめると、(100-33)/33=2、つまり200%です。含水率200%とはこのような意味です。
含水率19%とは、全体が100で水分が19ではありません。
全体が100で水分16、つまり(100-84)/84=0.19です。


築数十年の解体する家において、木材がどの程度の乾燥状態にあるかを調査したことがあります。
含水率で12~13%でした。
19%よりもさらに乾燥するわけです。
乾燥材といえども、更に乾燥するということは、それだけ収縮することになります。
ボルトは緩むことになります。
上棟時に締め付けたボルトは、一般に増し締めといって、石膏ボードを張って見えなくなる前に、もう一度締めなおします。それでも数十年後には、手でナットが回るくらいになっていることがあります。
この増し締めは最低でも実施すべきものです。
増し締めを完了したナットに、吹き付けスプレーをして確認する住宅会社もあります。

ボルトチェック


このナットが手で回る現象は、当然のことながら、建築主には嫌われます。
そこで、スプリングワッシャー付きナットが開発されました。ナットにバネが付いています。

スプリングワッシャー


そのバネが真っ直ぐなるくらい締め付けておくと、たとえ乾燥収縮により、ナットが緩んでも、手で回るほどにはなりません。
もちろんレンチでは回りますが、手で回らないということですが、気分的に随分違います。


建築物が地震などにより、破壊するときに、上からの荷重つまり曲げ荷重で破壊することはなく、大変形による、端部金物のはずれにより破壊します。
ナットが緩んでいても接合部が、外れることはありませんので、変形に対して効果はあります。
ボルト接合で、ナットを緩めた場合の各種強度の実験があります。
その実験によると、緩めたナットであっても、降伏耐力または最大耐力に大きな差はでていません。
したがって、ナットがどうせ緩むのなら、最初から取り付けなくても良いということにはなりません。
含水率による収縮でナットが緩んでも、ボルトナットは必要なものです。
また、高価ですが、振動などの揺れに対して追随する特殊ナットも開発されています。
緩みに対して、勝手に締まっていく優れものです。


参考:武蔵工業大学建築学科の大橋好光教授の「木造軸組工法における、接続部金属(ボルト・ナット)の緩みの影響に関して」