外壁材の通気工法について、

外壁材の通気工法については、拙書「住まいの雨仕舞い」に詳細を記述しましたが、最近は、外壁サイディング材については、通気をとることが大多数になってきています。

この通気により、建物の耐久性はかなりアップしています。
それは、外壁サイディング材の裏側の通気層で、万一浸入した水を排出できるからです。
1次防水を超えて、2次防水をも含めて総合的に考えられています。
通気工法により、雨漏り・結露などの問題のかなりの部分が解消されます。

外壁材の話題には、通気工法かどうかの確認が必要です。
当然、通気をとらない直張り工法の方がコストは安いです。
通気をとれば、胴縁・金具など通気のための材料費とそれらの施工費がアップします。
しかし、このアップ分は、せっかく建てる住まいの長い将来に渡って、必ずプラスになってくれるものです。
コストに流されて、直張り工法を採用しないようにお願いします。
外から見た目は変りませんから、コストダウンのターゲットになりやすいところです。
コストダウン以上に性能ダウンになります。


性能を落とすことなく、コストを下げることを、コストダウンと呼びます。
VE(Value Engineering)と呼ばれる価値工学では、価値をあげるためには、価値V=F/C、つまり性能(Function)をコスト(Cost)で割ったものと表します。
価値を上げるために、次の4つの方法が考えられます。

① コストを下げて、機能を上げる
② コストが同じで、機能を上げる
③ コストを下げて、機能が同じ
④ コストを大きく下げて、機能を少し下げる

①が一番よいのですが、現実にはそんなにうまくはいきません。
④は機能を少しですが、下げていますので、VEでは認めていません。

ただし、昔はすべての現場で直張り工法でした。時代が変ってきたということです。

左官仕上げの場合は、コストの点で、まだ通気をとらない場合が多いようです。
本来ならば、耐久性の観点から、左官仕上げの場合でも通気をとる方がお薦めです。
どちらかというと、左官仕上げの方が高級な家が多いようです。
高級な家ほど、耐久性などの性能面で劣ることになります。

私は昔からこの点はどうも納得がいきません。
坪単価の高い家が、高級な仕様・性能が良いのが本来だと思うのですが。
結果的に坪単価の安い家ほど、性能がよくなっていることになります。
性能面でいいますと、例えば、同じ延べ床面積の家ならば、外部に面する表面積が小さいほど、断熱性などの性能がよいことになります。

つまり総2階の家(その中でも平面プランが正方形の家が最高です)が、一番性能がよいことになります。
建築主もしくは設計者がこだわったデザイン重視の家は、性能面においては、総2階の家にかないません。
その分はエアコンなどの設備面で、強引にカバーすることになります。
ランニングコストが高くなります。
環境問題でも同じことがいえます。
CO2の発生が多くなります。

蛇足ですが、断熱性の観点から、表面積最小の家は球に近い、ドームハウスになります。
断熱するべき、外気に接する部分の面積が最小ですから、よいことになります。
山荘などに時々見受けますが、家具の配置が難しいなど、生活の点で主流にはなっていません。