解体工事における、撤去する物と残す物の区別です。

既存建物の解体工事に着手する場合に、必ず現場で、建築主と住宅会社の工事担当者・解体工事の監督の3者で立会いを行ないます。
撤去する物と、残存させる物を明確にするためです。

現実に現場で現物を見て確認します。

万一、解体工事の職人が間違えて、残存させるべき物を解体撤去したらどうなるでしょうか。

きっちりと打ち合わせした内容が伝わらない場合は、弁償ということになりかねません。
建築主側からすれば、当然のことです。
そのためにわざわざ、現場へ出かけて行って、打ち合わせしたわけです。
特に、解体工事のような初期段階の工事で、失敗をしますと、建築主に印象が悪く、「頼りない人」と思われ、後々響いてきますから真剣です。

伐木禁止


過去に沢山の失敗実例があります。

①残しておくべき植木を職人の勘違いで誤って切ってしまった。
②将来使用するブロック塀を壊した。
③連棟式の建物の片方を解体するときに、境目の壁を壊して穴を開けた。
という信じられないような失敗例もあります。
工事担当者も、真っ青になります。
当然、他方の家から大クレームです。
建築主の信頼も無くなります。
④建築主と打ち合わせした解体着工日に、解体業者の都合で、着工しなかった。
⑤建築主にとって、愛着のある旧建物の部材の1部を、新築建物に使用するために、残すはずだったが、撤去してしまった。


これらの多数の実例を思い出すとき、我ながら情け無い想いをすると同時に、現実に作業する、末端の職人まで、指示をいきわたらせることの難しさを感じざるを得ません。

多数の現場を掛け持ちすると効率はよいのですが、ゼネコンのように1つの現場を常駐管理する場合と異なり、行き渡らない面がでてきます。
したがって、工事担当者はいつも電話していることになります。
事務所でも電話、現場でも携帯電話となります。
1件の現場を完全に把握するのは結構困難です。
事務所に帰ってから、あれはどうだったかなーと思い出せない場合もあります。
それが多数の現場を掛け持ちするとなればなお更です。
多数の現場を完全把握できないのです。


したがって、工事担当者は、自分がミスしないように、決定した事を現場の施工店監督の図面に全部、赤書きで注意事項を記入しておきます。
何かあったときに、書いてあるじゃないかといって、叱るためです。
事前に書いたものは、職人も素直に認めます。
勝負あったことになります。
文句言わずにやり直しをします。
ところが一方、書いていないときは、職人から文句もでます。やり直し費用はどう処理するのか、ひと悶着です。


いずれにしろ、現場で、建築主と住宅会社の工事担当者・解体工事の監督の3者で立会いを行ない、明確に撤去する物・残す物を区別します。
撤去してはならない物にはテープを張り、紐で縛り、明確にします。
曖昧な表現は厳禁です。

相手側が判断に迷わないように、撤去するのかしないのかをハッキリとした決断と表現が必要です。