ここで確認事項です。

①外壁仕上げ材がサイディングボードの場合(いわゆる乾式工法です)

胴縁工法といって、厚さ12~18㎜の木材(胴縁といいます)を防水紙の上から打ちつけ、12~18㎜の隙間を設けてから、サイディングボードを張ります。
外壁仕上げ材のサイディングボードと防水紙の間に胴縁厚み部分だけ隙間をつくります。
この隙間を通気層といいます。
この通気層により、サイディングボードの裏側に雨漏れが起こっても水が排出される仕組みです。
水が入った場合の排出させる仕組みが重要です。
これは外壁仕上げ材の裏側に水が入るということを意味します。
決して外壁仕上げ材の1次防水だけで100%の防水効果を期待しているわけではありません。
水は自然の法則により、高い所から低い所へ流れます。
一番低い所に水の排出口をつくらなければなりません。
この通気層はその他に結露の防止や蒸れの防止にも効果を発揮します。
木質系の建物には通気をとっておけば耐久性が大幅に向上します。
水は液体ですが、流れていると腐りませんが、滞ると腐ります。
気体も同じことが言えます。通気が無ければ、蒸れにより腐りが早くなります。
更にはシロアリ被害などの可能性も高まります。
胴縁を打つ代わりに金具留め工法といって、専用の金具でサイディングボードを固定する方法もあります。
サイディングボードの種類によります。
金具の厚みにより通気層を設けることには変りありませんので、効果は同じく期待できます。
通気層を設けないサイディングボード直打ち工法はコストを抑える効果はあるのですが、耐久性は低下することになります。コストダウンではなく、仕様ダウンになります。


②外壁仕上げ材が左官の場合(いわゆる湿式工法です)

通常は建物本体の木部にアスファルトフェルトや透湿防水紙を直接張り付け、その上にラスという金網を張ります。
このラスが左官材料のモルタルを付着してくれます。
下こすり、(中塗り)、仕上げの平滑なモルタル刷毛引きで仕上げていきます。
この間には当然乾燥期間が必要になります。
できるだけ長期間乾燥させて、クラック(ひび割れ)が入るだけ入り、落ち着いてから、仕上げの吹き付け工事(リシン・スタッコ・ジョリパット等)になります。
左官材料のひび割れは後ほど話をします。
これは通気層がありません。
当然に問題が生じると思われます。
雨が中に入った場合、結露が発生した場合、蒸れた場合などに対処できません。
外壁仕上げが左官仕上げの場合でも通気層を設けることは可能です。
ただし、専用のパッキン材を建物本体木部に取り付けた上に、特別の防水紙付きのラス(金網)を施工することになります。このパッキン材の厚さ分が、隙間つまり通気層になります。
左官材料のモルタルも水を吸います。
サイディングボードの場合と同じく、裏側に水がまわるものと考える必要があります。
そしてこの通気層を設けることにより、雨漏り・結露・蒸れなどに効果を発揮します。
当然コストアップになりますが、耐久性を考慮した総合的判断をする必要があります。
このようなことが詳しく説明されずに、計画が進行することが多々あります。
技術屋から見れば残念なことです。
メーカー側の営業・設計・工事などの担当者から充分な説明の上、建築主が理解された上での結論ならばそれで良いのです。
あくまでも選択権は建築主だけにあります。
ただ、メーカー側の設計・工事の技術系の人までもが、充分に勉強することなく、理解することなく、建築主に説明することなく、建築主の主張する予算に合わせる為に、安易に決断されているように、私には思えて残念です。

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