木質系の住宅なのですが、一見コンクリート系住宅のようなデザインがあります。
このようなデザインが最近流行っています。
道路から建物を見た場合に屋根が全く見えません。
軒樋がなく、縦樋が途中から出ていますので、上の屋根はフラットルーフ状態です。

屋根勾配が少なく、雨水を受けています。
雨水は流れにくく、雨の漏りやすい部位ということになります。
壁の最上部が要注意点になります。
パラペットと呼ばれる部分です。
この天端の納め方が問題になります。

笠木になる部分の出寸法が短く外壁の仕上げ材よりも中に入っている場合があります。
この場合も雨水を受けることになります。
下から吹き上げる雨の場合、笠木板金の下から水が入ります。

斜め下部から散水して水が入らないかを検査する場合もあります。
いわゆる散水試験というもので、住宅メーカーによっては、義務付けている場合もあります。
散水試験といっても結構難しい点があります。
いつ散水試験を実施するかという問題です。
アスファルトフェルト時点なら散水を長時間続けると漏ります。
外壁仕上げ材を貼ってからでは万一漏れた場合に対処できなくなります。
つまり、散水試験を実施しなくても漏れない施工が好ましいことになります。
また数10分の散水を継続すると大抵の場合漏れてきます。
例えばアスファルトフェルトの固定はタッカーで止めます。
小さな穴が開く事になります。
長時間の散水のような悪条件下ではこのような箇所からでも、ほんの少しですが漏れることになります。

パラペットは本来、鉄筋コンクリート造住宅に用いられるものであり、そのままデザインを木造住宅に転用する場合は納め上問題が多くあります。
納め方としてもデザインを重視するあまり、細く薄くしたがります。
結果として、雨漏りを多発しております。
パラペットの立ち上がり部分の高さが充分ではなく低い場合も問題です。
防水が充分に施工できないためです。
天端ブリキの立下り寸法が小さ過ぎるのも問題です。
台風時に水が回り込む為です。
このような納め方をする場合は雨漏り対策に注意する必要があります。

注意ということは人の問題になります。
何事も解決するときに人の注意に頼る対策は危険ということになります。
雨漏りという観点からみると、可能ならばこのようなデザインのない家が好ましいことになります。
当然に点検・メンテナンスもできにくい状態と思われます。





現場で学ぶ住まいの雨仕舞い

学芸出版社

このアイテムの詳細を見る