このような事例があります。
ある住宅展示場での実例です。

若い設計担当者はこの建物に力を入れておりました。
建築主の意向のない、久しぶりの設計者が自由に設計できる建物です。
そして展示場ですから住宅メーカーのメンツもありますからそれなりの予算をかけた建物です。
当然、設計者としては力が入ってまいります。

屋根の材料は玄昌石という天然スレートで見た目も格好のよいデザインです。
そこに大型のトップライトを取り付ける設計です。
当然既製品のトップライトではイメージに合わないということで現場造作のトップライトになりました。
それも、屋根材の玄昌石とトップライトのガラス面は同面の位置(同じ高さ)ということでした。
立ち上がり高さが充分に確保すればそれほどの問題はありませんが、デザインの観点からいうと、トップライトの高さは目立たなく低い方が好ましいことになります。

仕方なく、現場の大工、屋根工事の監督・職人と相談しながら、トップライト周囲に溝をつくりながら防水施工して納めました。
いわゆる内樋形式です。

これは住宅展示場ですから、誰も住むことがありませんので万一のことが発生しても迷惑もかかりません。
住宅展示場は、この点で、結構遊べます。
好き勝手ができるのです。
また築数年で解体撤去されます。
デザイン面で格好よければそれでよろしい。
仮設建物ですから、別段問題ではありません。
数年間雨漏りしなければそれで良いのですから。

ところが一般の住宅の場合はこういうわけにはいきません。

10年保証、或いは住宅メーカーの有償点検と有償メンテナンスを実施すれば更に、20年~30年と保証延長されていきます。

この場合にはこの展示場で納めた方法では無理がきます。

雨水を受ける設計は基本的に具合が悪いのです。

雨水はできるだけ早く流してしまわなければなりません。

現場で学ぶ住まいの雨仕舞い

学芸出版社

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