ドクター雨仕舞い
■ ドクター雨仕舞い 住宅の雨漏り事例 庇(ひさし)①

窓や出入り口などの開口部の上部には通常、庇を取り付けます。
霧除け(きりよけ)と呼ぶ場合もあります。
意匠上、庇を取り付けない場合もありますが、小窓を除いて、出入り口や掃き出し窓・中連窓といった人が頭を出す開口部には、雨垂れを考えると本来は取り付けるべきものでしょう。
設計者は庇を好まないようですが、入居後に雨垂れによるクレームになる場合があります。
この庇もまた雨漏れの可能性の高い部位になります。
庇の取り付けを慎重に行わないと雨水を呼び込む結果になります。
庇には若干の勾配はあるにしても、やはり水平に近い部材ですから、確実に雨水を受けます。
庇の部材形状と取り付け方が問題となります。
庇の確認事項を記載します。
①庇の立上げに必要な高さがあるのか?
庇の奥側(外壁側)の立上げ部分に上からアスファルトフェルトをかぶせてきます。
したがって、後からでは見えない部分になります。
見えないぶぶんだからこそ、しっかりと重ね高さを確保したいものです。
立ち上がり高さは最低50㎜以上が必要です。
雨漏れ性能上は、立ち上がりが高いほど良いのですが、この部分は板金でタッカーが打てませんから、高ければ高いほど良いわけでもありません。
入隅の取合いに庇がくる場合は特に問題です。
立上げが両面に必要だからです。
板金部分を取り外してみますと、やはりコーナー部分が連続していません。
一番肝心なコーナー部分のツバがない状態で現場取り付けしなければなりません。
この部分に防水テープを現場の職人が無理やり貼り付けることになります。
穴を開けることなく防水することは難しいのです。
そして結果として雨漏りです。

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