住宅の屋根形状には、一般に切妻・寄棟・入母屋・方形・片流れ・陸屋根などがあります。
雨漏りに対しては寄棟タイプの屋根が最も良いのです。
軒の出のある寄棟タイプで下屋・バルコニーなどの付属物がなく、トップライトや煙突などのない屋根が最高です。

デザインがシンプル過ぎて面白くないかもしれません。
しかし、屋根からの雨漏りに関しては最高といえます。
方形(ほうぎょう)タイプも寄棟の棟のないタイプですから雨漏りには問題ありませんが、換気トップといわれる最頂部から換気する場合、換気性能は低下します。
ただし、軒の出がある場合という前提条件がつきます。
そのうちの切妻タイプでかつ軒の出の少ない場合を取り上げます。
軒の出のある切妻タイプには雨漏りの問題がありません。

妻部分の屋根近く破風板周りをとくにケラバといいます。
雨漏りの危険性の高い部位です。

基本的に雨の多い日本においては、軒の出がしっかりとある家は雨が漏れません。
昔の日本家屋はそのような過去の歴史に則ったデザインの軒先でした。
軒の出は1m位あります。
たっぷりと軒の出のある家は雨漏りしません。
軒先と外壁の距離が短い場合、軒の出がほとんど無く、軒先~外壁が取り合う場合は雨漏りし易くなります。

ところが軒の出の短い(無い)デザインが好まれるようになりました。
狭小地に建設する必要もあり、とりたくても軒の出を確保することができなくなりました。
外国の雑誌にも軒の出の無い住宅が随分と紹介されており、設計担当者の好みや建築主の好みにより、雨の多い日本でも実例が増えてきました。
雨の少ない国のデザインをそのまま、雨の多い国で使うことはできません。

日本独特の別の対策を講じる必要があります。
軒の出のない建物を施工してみますと、やはり雨漏りの可能性が高くなります。
切妻のみならず、寄棟その他の屋根形状でも、軒の出のない木質系建物の雨漏りは非常に多くなります。
通常の施工では無理で、それなりの対策が必要になります。
対策がきっちりとできれば雨が漏れることはありません。






現場で学ぶ住まいの雨仕舞い

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