構造体の梁が腐っています。白蟻も、腐朽菌もきています。1次原因は雨漏りです。2次原因は結露です。雨漏りの水が浸入します。その水が排出されずに残ります。現在の家は、昔の家と比較すると、格段に気密性・断熱性が良くなっています。特別に、高気密住宅を意識しなくても、サッシの使用、石膏ボードの使用などにより、普通の家でも、気密性がそれなりに高まります。
雨漏りの場合には、この気密性が裏目にでます。一端浸入した雨水が、排出されずに、滞るのです。壁体内などで、雨水が滞り、そこの温度・湿度(100%近くなります)と外気の温度差により、結露がおこります。結露の程度にかかわらず、常に、湿度100%状態となります。暖かいところでは、水蒸気を多く含むことができます。寒いところでは、水蒸気を少なくしか含むことができません。夜間の気温が下がると、結露として、水分が増えますが、湿度は100%です。昼間の気温が上がると、蒸発して、水分が減りますが、湿度は100%です。いずれにしても、密閉に近い空間で、湿度100%状態が続くわけです。木部にとっては、劣悪な環境となります。木質系住宅にとって、大きな問題です。
居室は24時間換気が義務付けられています。構造体の内部の換気は基準がありません。基準がないのですから、通常は疎かにします。しかし、本来は、構造体内部の換気も計画されていなければなりません。構造体内部とは、具体的には、壁体内・小屋裏・バルコニーの構造などのことです。雨漏りがなくても、湿気はあるので、条件によっては結露しますが、気密性も完全ではないために、自然に換気され、通常では問題になりません。
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