バルコニー手摺部分から雨漏り事例です。バルコニーの笠木の上に取り付ける手摺の固定方法が問題です。笠木板金の上から脳天釘打ちで手摺を固定し、その上からシーリング処理を行っています。
笠木の上から手摺の固定に、上部から脳天釘打ちするということは笠木の板金防水に穴を開けることになり、釘打ちに伴い、板金部分がバリ状に下がり、雨水を呼込むことになります。その上からシーリング施工しても耐用年数からいって、いつまでも持つものではありません。
シーリングの耐久性は雨や紫外線のあたる条件により5~10年程度といわれております。しかもこれは適切にシーリング施工を行った場合の話です。しかるべき目地の幅10㎜・深さ8㎜以上を確保できない場合ははるかに短い期間で不具合が生じます。三角シーリングとか、なすくりシーリングといわれます。本来のシーリングの性能を発揮することはありません。
このような箇所は定期的・継続的に点検およびメンテナンスが必要になります。ただし、点検といっても通常は目視点検しかできない状態であり、本格的にシーリングを剥がして点検・調査することは通常ありません。
現実問題としては住宅の場合は10~15年に一度、本格的に足場を組んで、外部の屋根・壁・防水工事などの雨漏りに影響する箇所を全部同時に点検・メンテナンスすることになります。どうせ足場を組むのですから、同時に施工しないと経済性の観点から無理になります。 この期間ですが、一般に言われるのが10年です。これは企業側の論理です。一方、消費者側の論理としては、もう少し延ばしたいです。
現実にはコストの問題と、傷みの程度を勘案して決めることになります。
ただし15年を超えて無理に耐えさせることは避けるべきでしょう。住宅ではコストの問題から往々にして、長期に渡ってメンテナンスしない場合があります。長い目でみると、節約したことにはならないようです。しかし、自分の家で現実に金をだすとなると、杓子定規にはいきません。つい1年延ばしになってしまいます。
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