次のような雨漏りクレームがありました。雨漏り原因の可能性は、
①壁の不陸(真っ直ぐでないこと)などにより、外壁目地部の防水シールが密着していない部分から雨水が浸入した。
②縦張りサイディングの横目地ジョイナーが水を受け、浸入した水がオーバーフローした。
③外壁サイディング下端の釘穴から、防水紙裏に水が浸入した。
雨漏り検証において、外壁サイディングメーカーは協力的でした。
自社工場の中で、無料で実際の壁面を再現し、散水試験を実施してくれました。
そのときに立会いし、現実に雨漏りの状況をこの目で確認しました。
透明のビニールシートを張ってくれ、はっきりと状況がわかるようにしてくれました。このような対応をしてくれるメーカーは技術屋として嬉しく思います。
雨漏りは✕ですが、対応の素晴らしさに感激しました。このような経験をすることによって、材料メーカーの知識・技術も上っていくものです。
最近は技術分野を自社では廃止し、設計事務所への外注に頼るメーカーも出現してまいりました。
その方が目先のコストダウンになるようです。
設計できないメーカー・現場に行かないメーカーは自社ではチェック機能がありません。
一部上場の優良企業でもこの傾向があります。
技術を軽視する企業の商品は、いずれは問題をおこす可能性が大いにあると思っています。 サイディングボードの縦目地部分に細いシーリング材が2本付いています。
このシーリング材が密着して固定されている外壁は雨漏りがありません。
しかし、今回の実験で、壁に少し段差をつくり、このシーリング材が密着しない場合をつくり、散水試験をしました。
結果は、じゃじゃ漏れでした。少しの雨漏りではなく、大量の水が一気に浸入しました。 従って、サイディングボードの下地となる木部は平滑にし、かつ、しっかりと縦目地部分が密着するように固定しなければなりません。
サイディング張りが縦胴縁や金具留めの通気工法であれば、このような雨漏りの心配はありません。通気層を水が流れ、速やかに排水し、そして乾燥するからです。
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