この箇所のように、多数の職種が重なる箇所においてはだれか1人が配慮しないとそのまま問題になります。
職人ですから技術は持っていたはずです。
また次工程の職種が注意・確認すればよいのですが、これも職人同士の人間関係があり、やはり難しいのです。
ここでいう職人の過去の経験からくるノウハウは大切にすべきものです。
工事責任者や現場監督者などの現実に作業をしない人の経験に、現実に作業をする職人の経験をプラスして判断すべきものです。
全てのことが解る優秀な技術屋は現実には少ないものです。
そして気が付く、付かないという人の問題も生じます。
戸建て住宅では大勢の技術屋が同じ現場で確認することはできません。
コスト上、技術屋が常駐しない仕組みですから無理なことなのです。
人の問題として、体調、そのときの気分、忙しさ、他の仕事との兼ね合いなどにより、全てが確認できるわけではありません。
現場では人の問題による部分が必ず残ります。
このような部位を最初から設計しないことが一番です。
そして設計責任者といえども、納まりを全て考え抜いて、プランを総合的に設計できる優秀な技術者もまた少ないものです。
いくらかは現場合わせという部位も残ります。
このような納めにならざるを得ない場合には、工事責任者や現場監督者と職人との間のコミュニケーションが大切になります。
このコミュニケーションは決して簡単ではありません。 本来はこのような難しい納めを一緒に検討するのが技術屋・職人としての喜び・楽しみ・生きがいであるべきですが、効率重視の忙しさによって、切り捨てられ、現場任せになるのです。
難しい納めですから任された職人も自信ある判断ができにくいでしょう。 判断はどのような場合でも難しいものです。
よりよい納めにするには、追加費用がかかる場合もあるでしょう。 しかし追加費用については、既に契約された住宅の仕事においては、職人側も業者側も元請けに請求しにくいものです。 契約された建築主も、別途となっていないもので、追加費用が発生することは当然想定外です。 請け負った、決められた予算の範囲内でできるだけ効率よく、きっちりと施工しなければなりません。
Comentários