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玉水新吾

外壁サイディングは指でこすって白くなるか

外壁のサイディング材は通常、工場塗装されてから搬入されます。現場塗装はおこないません。塗装としては、品質管理のゆき届いた工場製品の方が、優れた耐久性をあらわします。昔のサイディング材は、現場塗装のときもありましたが、いまではほぼ工場で塗装します。

 外壁材は、雨があたり、紫外線にさらされるところですから、条件が悪いところです。塗装が劣化していきます。外壁材をこすって白くなると、“チョーキング”といって、劣化が進行している証拠です。そろそろ塗り替えの時期ということになります。一般には平均で10年ということになっています。10年間で外壁塗装は原則、やりかえる必要があるのです。

 外壁材を全面塗装すると、足場が必要となります。同じ足場を架設するなら、屋根の塗装も一緒に、またシーリング材も、全面やり直しとなってきます。随分高くつきます。

10年に一度、このような出費が必要となるのですが、多くの入居者は、マンションの積立金のように、メンテナンス費用として貯金していません。このあたりも事前に、塗り替え時期と費用の説明も必要です。なお、外壁サイディングが劣化したからといって、直ちに雨漏りにつながることはありません。見栄えが悪いということです。

 入居者から相談を受けた場合、原則は10年に一度塗り替えですが、若干延期することも可能です。入居者がお金をかけたくない場合の説明としては、紫外線の劣化程度は、面(方位)により変わるということがあります。北面は劣化の進行が少ないです。南面は冬場の太陽高度が低いときには、大きく劣化することになります。なんといっても水平面が断トツです。屋根面の劣化の方が、紫外線を受ける量に比例するため、圧倒的に激しいです。15年目までには、予算確保が必要で、それ以上の延期は不可です。

30年に一度大規模修繕(つまり外壁取替え)が必要とするのが、材料メーカーの考え方です。その間の10年目と、20年目の2回は、再塗装することにより、延命を図ります。屋根は6寸勾配未満が条件です。6寸勾配以上になると屋根にも足場が必要となり、施工できません。例えばですが、若干の延期により、コストを下げることは可能です。



終日日射量








外部メンテナンス計画の1例

建築主希望計画案

建設時から10年 50万円 防水+足場無塗装(屋根水平面)

15年 110万円(足場有外壁塗装)

20年 50万円 防水+足場無塗装(屋根水平面)

30年 大規模修繕

合計 210万円


住宅会社計画案(標準)

建設時から10年 150万円 防水+屋根・外壁塗装

20年 150万円 防水+屋根・外壁塗装

30年 大規模修繕

合計 300万円



サイディングのチョーキング


外壁サイディングを、指でこすると真っ白になりました。そろそろ外壁の再塗装が必要という目安になります。

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