床下を構成する部材で、大引き・根太には、無垢材を使うことが多いです。集成材は乾燥されやすいのですが、無垢材はそうはいきません。木材の当初の含水率からいえば、必ず乾燥収縮します。
天然の木材は、特に新築から1年間は、乾燥収縮・反り・ねじれなどの不具合が大きく発生する時期になります。そのために床下地は、最初の1年間で、微妙に狂いが生じます。
フロアー材の「さね」と呼ばれるつなぎ部分や、釘とフロアー材の接触部分・フロアー材とフロアー材の接触部分等で、微妙に動きが発生するところで音がします。
夏場と冬場の温度差の影響が大きいです。湿度も影響します。夏場は高湿度で伸び、エアコンで除湿されて縮みます。冬場は空気が乾燥して縮み、加湿して伸びるなど、常に伸び縮みを繰り返しています。 接着剤も影響します。フロアー材料のメーカーごとに、ウレタン系・エポキシ系など、専用の接着剤を指定しています。しかし、大工が普通の木工ボンドで施工した場合などは、接着力が悪く、床鳴りの原因になります。木工ボンドは、造作材には使用しますが、構造体には無理があります。 フロアー材の固定釘も影響します。“フロアネイル”を使用しますが、それの打ち方が悪くて、床鳴りの原因になります。“フィニッシュネイル”は、施工が簡単なために、使用されることが多いのですが、フロアー材メーカーは信頼性の点で、使用を禁止しています。責任がもてないといっています。
建物は、乾燥収縮・温度収縮・地震や台風による揺れ・前面道路の通行車両など、さまざまに動きます。どこか弱いところに狂いが生じて、不具合になります。 床鳴りは入居者に嫌われることが多く、即欠陥住宅と思われることが多いです。メンテナンス担当として、大工と相番で、床下にもぐって、クサビをいれ、ボンドをいれて調整します。定期点検時には床鳴り調整はつきものです。
1Fに対して、2Fや階段の床鳴りについては、床下にもぐれませんから、苦労します。上から隠し釘を打って、止めることになりますが、大工の経験によるところが多く、難しいです。
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