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腰壁の換気はあるか


バルコニーの手摺壁の内部ですが、両面とも外気ですから、同じ温度になり、結露はしないはずです。ところが手摺壁の内部は、1階と2階の間の、ふところと呼ばれる空間とつながっていることが多く、温度差が生じて、結露の可能性は否定できません。結露するものと考えて対応すべきです。したがって、手摺壁にも、換気口を設置する方が良いと思います。基本的に空気を滞留させると、よくないことは確かです。

 雨水の浸入が少なく、かつ換気する部材で、バルコニー内部に2箇所以上設置します。換気部材によっては、強風時に雨水がはいりこむ可能性がありますが、換気とのバランスを考えると、それでも換気口を設置するべきです。若干の雨漏りや結露水による水蒸気を排出できます。古い建物では、バルコニーの換気は、まず設置することはありませんでした。

住宅会社によっては、いまでは設置基準を決めて、標準的に採用しています。住宅会社では、過去のトラブルの経験から、複数クレームがついた場合は、改善されることが多いです。雨漏りが発生して、同じ部材なら、部材を改良していきます。建築年代によって、改善されていきますから、同じ部材でも、仕様は異なっていることがあります。現実に、記録には残らないのですが、現場対応されていることもあります。後から追跡調査できるとよいのですが、先のメンテナンスのことまで考えずに、とりあえず施工することが多いのです。

 このような部材は、図面に記載されないことも多く、記載されても、部材メーカー名とオリジナル品とだけ記載されます。開発部署が部材メーカーと打合せをして、住宅会社の独自性と、特別設定により、比較的コストを抑えることが可能です。その時点では、よい選択をしたように思えます。ところが、後から部材の取替えが必要になったとき、その品番が調べられないのです。図面にも、部材にも品番が記載されていません。写真を撮って、メーカーに送って、調べてもらうなど、メンテナンス担当者は、部材を探すだけで大変な苦労をしているのです。住宅会社のシステムがうまく機能していません。換気口の新規設置だけの場合は、追加するだけですから、問題はありません。


写真44-1 バルコニー内側の壁内換気用レジスター

バルコニーの手すり壁ですが、内部構造の結露が心配です。結露した湿気を排出する機能が必要です。それは換気レジスターの取り付けになります。







写真44-2 立ち上がり壁内換気用レジスター

建物の構造体では、いかなるところも換気のできない部位をつくると、耐久性劣化の可能性があります。結露により、木部は腐り、鉄部は錆びます

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