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玉水新吾

軒樋の雨水流れはよいか


雨樋の異常について、特に軒樋は、目視確認しにくく、入居者からの聞き取り調査がメインになります。雨樋は外部に露出する塩ビ製品が多く、耐久性があるとはいえません。軒樋の受け金物のピッチは、通常300~900㎜間隔です。雨樋メーカー仕様によりますが、地域により、雪の影響を考慮して、細か目につけます。ピッチが粗いと、勾配が確保できずに、雨水が溜まることになります。



軒樋の詰まりはよく見受けます。環境のよい樹木の多いところでは、葉が堆積しています。常時雨水が滞留することになり、苔が生えています。この場合には、軒先の劣化が激しくなります。長く放置してはいけません。葉の堆積状況は、目視でわかりますので、入居者に管理して欲しいところです。

テレビアンテナを固定するワイヤーを、軒樋受け金物に取り付けていることがあります。ここから、雨の日には、雨垂れが落ちています。風力により、引っ張られ、軒樋の勾配がかわることもあります。本来は取り付けてはいけないのですが、街の電気屋さんは、勝手に取り付けてしまいます。アンテナ工事は別途工事が多く、住宅会社の関知しないところになっています。

軒樋の勾配ですが、最小勾配が1/100です。勾配が悪いと、雨水が溜ります。経年により、勾配がかわることもあります。少しでも変わると常時、水が溜まっていることがあり、ヘドロ状態になっています。住宅で雨水が、プール状態になっていることは問題です。いずれは漏れてきます。

軒樋と集水器(あんこう)の取合いや、軒樋の継手部分が、外れていることがあります。雨の日にはじゃじゃ漏れになっています。室内に雨水が浸入してくるわけでもないので、気にしない入居者が多いのですが、取合い部からの劣化が激しくなります。

 軒樋を、隠し樋として、外部に露出させずに、建築化する場合もあります。デザイン上は素晴らしいのですが、メンテナンス上は疑問になります。オーバーフローなどのトラブルの際、直接建築本体に被害がでます。より管理が求められます。


写真 軒樋の外れや水溜り

管理が悪く、放置されています。軒樋も欠損して、屋根も錆だらけで、建物の寿命も短くなります。入居者の意識が問題です。メンテナンスも訪問していないと思われます。


写真 軒樋の勾配確認

軒樋の点検にはハシゴが必要です。軒樋の外れ・勾配・水溜り・詰まり・アンテナのワイヤーなどを点検します。集水器周りも問題が多いです。



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