• 玉水新吾

04敷地の地耐力は問題ないか


最近は、全ての宅地において必ず、地耐力調査をおこなってから、基礎補強を計画します。古い建物では、地耐力調査そのものがなされていませんでした。住宅会社により、ある時期から実施されています。それでも当初は、近隣の調査データーがあるからといって、その敷地の地耐力調査を省略していたこともありました。地耐力調査費用のコスト削減の意味です。将来問題が発生した場合には、困ることになります。わずかのお金を惜しんで、大きな損害を被ることになります。その現場のためだけの地耐力データーが必要なのです。

 住宅現場の地耐力調査は、“スウェーデン式サウンディング”という簡易工法を採用することが通常です。建物の4隅と中央の、合計5ポイントの測定データーをとることが多く、簡単にでて、コストも比較的安く、ほとんどの住宅現場に採用されています。本格的な調査を求める場合には、“標準貫入試験(ボーリング)”をおこないますが、住宅では、建設費全体に占める調査費用が高くなり、信頼性はあるものの、特別な事情がない限り、めったにおこないません。支持層の深さが深い場合には、スウェーデン式サウンディングでは信頼度はありませんので、標準貫入試験の採用になります。

 地耐力調査のデーターは、建物に実施された、現実の基礎補強とセットになるものですが、とりあえず、地耐力の話です。通常の布基礎で問題がないときの地耐力は5t/㎡以上です。5t/㎡未満の地耐力では、ベース幅の拡幅、地盤改良、杭施工など、何らかの基礎補強がされます。大体85%以上の敷地では、何らかの基礎補強がなされます。建築主が、住宅会社が提案する基礎補強工事を拒否すれば、住宅会社は建物の構造体10年保証をおこないません。

基礎補強不要という強固な地盤はほとんどないというのが現実です。また、基礎補強は、おこなわないという選択肢がないことから、建築主として、お金を出さざるを得ないところといえます。過剰な基礎補強設計であってはいけませんが、少し安全側の妥当な提案が必要です。

現場の地耐力に見合わない基礎であれば、将来に不同沈下などの問題が生じる可能性が高まります。万一発生したら、建築主も住宅会社も双方ともに困るのです。

住宅を建設する際の最重要ポイントが、その現場の地耐力に応じた、基礎補強を確実に実施することになります。不同沈下と雨漏りさえ、防ぐことができれば、建物は極めて長期間にわたって、耐久性を確保することが可能となります。メンテナンスが、その前提条件となります。

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