大きな地震が発生すると必ず、エネルギー問題が話題になります。原子力発電の可否が話題になります。日本国内ならどこでも、大きな地震発生の確率は、世界的にみて非常に高いといえます。日本の国土は、世界の大陸の0.25%ですが、マグニチュード6以上の大地震の発生数は世界中の地震の20%を占めているといわれています。つまり大地震は、世界平均の80倍おこることになります。
そのときには、環境問題とも関連して、太陽光の活用が候補にあがります。屋根面に、ソーラーを設置する家が増えています。政策的にも、補助金システムが設定されて、誘導されます。自然エネルギーの活用ですから、基本的には素晴らしいものです。徐々に効率も改善されていくはずです。
問題としては、ソーラー設置に伴う、雨漏り発生の可能性です。ソーラーの固定のために、屋根面に穴をあけて、ボルトやビスで固定することになります。屋根の二次防水であるアスファルトルーフィングなどの下葺き材にも穴があきます。つまり、雨漏りリスクは高まります。極端にいえば、ソーラー設置は、条件によれば、必ず雨漏りするといっても過言ではありません。
本来なら、品確法により、雨漏りは10年間の保証期間があるはずです。新築段階でのソーラー設置なら、雨漏りは、建築として保証されますが。後設置の場合には、ソーラー設置により、雨漏りの責任は、建築屋ではなく、ソーラー設置業者に移ります。ソーラーを後設置すると、建築屋は雨漏り責任が免責になるからです。建築の専門家ではない電気屋が、雨漏りの責任を負うことになります。雨漏りに対する技術があるのか不安に感じます。
ソーラー設置業者は、雨漏りに対しては、「保険」でカバーするシステムをとっています。雨が漏れると、その補修工事は、建築屋に外注することが多く、自分達では補修できません。現在のところ、各種工法が開発されていますが、このような方法で設置すれば、雨漏りは発生しないという方法はありません。ソーラー設置にあたっては、それぞれの立場でリスクがあります。
写真1 ソーラー設置状況
写真2 ソーラー固定
屋根材の上に、ソーラーを設置するのですが、設置は屋根材並びに屋根下葺き材に穴をあけて、ボルト・ビスにより、野地板に取り付けます。運がよいときは、垂木に取り付けることになります。防水材を破ることになり、問題です。
写真93-3 ソーラー固定方法
上記写真3枚は、NPO法人雨漏り診断士協会提供
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