2Fトイレの排水を流すと、ゴボゴボ音がする場合があります。大きな音が発生するために、来客時には、トイレを使用できない場合もあります。2Fトイレの配管に“通気管”を取り付ければ、この音の発生は止まります。通気管を後から追加することは、壁を外して、大掛かりな工事になり、かなり困難となります。
住宅会社の考え方にもよりますが、何も言わなくても、標準仕様で取り付けている会社もありますし、追加のオプション仕様にしている会社もあります。最初から取り付ける計画をしていない会社もあります。住宅会社の考え方を見る際の指標となります。
設備仕様書を確認して、通気管の表現が無ければ、確認する必要があります。記載されていなくても、当然に取り付けることもあります。通気管は本来、取り付けるべきものです。当然コストのかかることですから、コストダウンの対象になりやすい部分です。見た目には、余り判りませんが、コストダウン以上に、仕様ダウンになっています。建築主には、気付きにくいところです。もっとも、この音を余り気にしない方もあります。音の問題は人の主観により、感覚が随分異なります。
建築主には、わかりにくい部分で、コストダウンを図る住宅会社が多いのですが、建築主に説明して、納得して不要なら、建築主が最終決断すべきものです。技術屋は建築主に対して、説明のやり方によって、建築主の結論が、逆になることは多いです。決して誘導してはいけません。最初から、「いらないですよね」といわれたら、建築主は、「いらない」と回答します。万一、後から問題になったとしても、「そういえばあのとき、言ってくれていたよな。もっと強く言ってくれればよかったのに」で済みます。これらの失敗経験を数多くもっているメンテナンス担当者ほど、優秀ということです。
技術屋は、結論を○にでも、×にでもできるのですからこそ、丁寧に時間をかけて説明しなければなりません。忙しいときは、手抜きがちになりますから、戒めなければなりません。仕事そのものよりも、説明に時間がかかります。時間をかけなければなりません。
排水管の中に、圧力の関係で、空気溜まりが出来ます。排水管に排水が流れるときに、排水が鉄砲のように、空気を一気に押し出し、途中の洗面や台所の排水口トラップの水を激しく動かします。逆に、排水の流れた直後の排水空間の気圧が下がっても、排水口トラップの水を激しく動かします。
排水マスの蓋を開けて、トイレの排水を流してみると、音が解消する場合があります。これは圧力が負圧になっているということですから、通気不足が原因です。通気管を取り付ければ、問題点は確実に解消します。
住宅では余り目立たないように、トイレ室内壁に埋設して、点検口を取り付けることが多いです。負圧になったときに、空気を供給し、かつ匂いの出ない優れものです。これを取り付ければ、ゴボゴボ音は解消します。
写真 住宅トイレ用に設置された通気管
新築時点から、トイレに通気管を取り付けているということは、通常のレベルの住宅会社といえます。他の点でも、手抜きは少ないと想像できます。
Comments