天井点検口450㎜角の蓋をあけて、小屋裏にあがります。蓋の上にも断熱材が置いてあって、入りにくいこともあります。丁寧な大工は、蓋の大きさに合わせて、断熱材を切断して張り付けます。通常の住宅現場では、屋根の断熱材ではなく、天井に敷く断熱材が多いです。ロックウールやグラスウールです。問題点としては、
断熱材そのものが施工されていない場合、断熱材の表裏を逆にしている場合、断熱材に隙間がある場合、断熱材の表裏のビニールが破れている場合、後から工事に入り、断熱材をめくったままの場合などがあります。特に断熱材に隙間があると、断熱性能が著しく低下するわけですが、複雑な小屋組のなかでは、完璧に隙間なく施工することは困難です。天井吊り木やダウンライトがあれば、隙間ができることは当然です。セルローズファイバーなど、ブロアー吹き付けの断熱材なら隙間はできませんが、住宅現場では少ない状況です。
断熱材の厚さが規定通りか、この規定は、年代によって異なっている場合が多いです、古い建物ほど、断熱材は薄く、新しくなるほど、厚みをましています。天井断熱材の厚さは、50㎜~200㎜が多いです。断熱の標準仕様は、原則プラス側に変わってくるのです。
ロックウールなど繊維質系の断熱材の場合、表面(印刷してある方)には、ビニールに穴があいていません。裏面(印刷のない無地)には、ビニールに小さな穴が開けてあります。よく観察しないとわかりません。この理由は、室内側に断熱材表面をもってくるのですが、室内の湿気が断熱材に浸入しません。若干浸入した湿気は、断熱材裏面の穴から出ていきます。結構断熱材メーカーも芸が細かいです。したがって、穴の有無により、断熱材の表裏を間違えると、結露して建物の耐久性に影響してきます。断熱材に関しては、無頓着な職人も多いです。特に温暖地の職人は、断熱教育されていない人が多いです。
断熱材の表裏面の向きが重要ならば、断熱材のビニールが破れれていたり、ビニールを外して、細い隙間に差し込むなどは、現場ではよく見受けますが、当然不可ということになります。
写真1 天井断熱材無しの現場
新築以来10年以上にわたって、トラブルになっている住宅現場です。多くの不具合点がありますが、天井断熱材はゼロです。立派な構造材料を多用した豪邸ですが、断熱・気密といった新しい知識は皆無です。
写真2 補修工事により、断熱材が無茶苦茶
補修工事にはいった職人のマナーが悪いです。断熱材をめくり、隙間だらけにした上、上下の向きを変え、ゴミだらけにしています。バレることはないと思ったのでしょうか。人間性のレベルになります。
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