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基礎上部の通りに不同沈下の可能性はないか


レベルで建物の傾きを検査中


外部から基礎の、高低差の通りを見ることは難しく、実際は土台水切りの高さを見ることが通常です。外壁仕上げが、サイディングの場合には、必ず最下部に土台水切りがきます。外壁の仕上げが、左官工事の場合には、土台水切りのない場合が多く、基礎と外壁の仕上げの取り合いで見ます。地面近くで、水平を目視しやすいところは、他にはありません。

厳密にいえば、土台水切りも、外壁職人が現場で、取り付けるわけですから、完全に誤差のない水平ではありませんが、ほぼ水平という解釈です。この段階では、“レベル”という機械を使わずに、あくまでも目視です。万一の異常があれば、精密測定は後日です。その段階ではレベルで計測して、異常がある場合には、メンテナンスではなく、不同沈下の可能性という大きな話となり、個別対応が必要となります。

 

自動レベルで室内の水平・垂直誤差を測定中


体をしゃがんで、目を土台水切りのコーナー部から、平行に覗きます。同じ場所で、2方向確認できます。例えば、東北角と南西角の2箇所で観察すれば、4周が確認できたことになります。実際は障害物もあるでしょうから、位置は増えます。

建築の技術屋にとって、水平と垂直に対する感覚は重要となります。水平と垂直の規準は、品確法により、3/1,000以内では、瑕疵の可能性がある。6/1,000で、瑕疵の可能性が高いとされています。これらの数値は、裁判など、でるところへでた場合の話です。施工者側として、通常の現場施工では、1/1,000以内を許容範囲としています。誤差がゼロであることはありません

住宅建物には、材料誤差と施工誤差、さらに乾燥収縮、温度差による収縮、地震・強風による水平力、車両交通による揺れなどがあります。建物は常に動いているのです。経年劣化もあります

建物の不具合は、基本的に入居者が最も早く気付きます。現実に生活して、掃除をすればわかります。なお、不同沈下の場合には、建物に症状がでます。建具の開閉不良や、フロアーにパチンコ玉が転がるなどです。ひどくなると、生活に違和感を感じるようになり、通常の生活ができなくなります。三半規管に異常をきたすことになり、酔った感じで、気分が悪くなります。

住宅会社のメンテナンス部門の担当者は、プロではありますが、生活していないために、気付くことはできません。よく入居者から、プロとしての適切なアドバイスがないとお叱りを受けることがあります。プロといっても、その場所で、生活してみないとわからないことも多いのです。現実に入居者が生活していて、まったく気付かないということは、大きな不具合ではないことが多いです。

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