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玉水新吾

タイル・レンガの白華現象はないか

コンクリート・モルタル・タイルなどの湿式系材料には、水分が含まれています。材料の中に含まれる、水酸化カルシウム(アルカリ性)が、水のあるところで、空気中の炭酸ガスと反応して、炭酸カルシウム(中性)という白い粉になったものです。この白い粉が“白華”・“エフロレッセンス”と呼ばれるものです。現場では、“鼻垂れ”とも呼ばれます。

白華現象は、強度低下などの問題はなく、生成物も無害です。発生が外部の目立つところであり、見苦しく嫌われることが多いです。あくまでも見栄えの問題です。

Ca(OH)2+CO2⇒CaCO3+H2O

アルカリ性のコンクリートが年月の経過とともに、“中性化”する現象と同じ理論で、白華も劣化現象の1つといえます。中性化しても、強度が低下するわけではありませんが、中の鉄筋を錆びさせるから悪いのです。白華のメカニズムの化学式は、コンクリートの中性化の化学式とまったく同じです。

コンクリート擁壁など、土留め部分には、地盤と接するところ、つまり水が含まれるところですから、白華の可能性が高いものです。ブロック・レンガ・タイルなどの吸湿する材料は、白華が発生しやすくなります。

白華現象の防止策は、水がまわらないように防水をすることです。白華現象防止を目的として、上から塗布する材料も市販されています。意味は水が浸入しないようにするものです。

白華現象が出るかどうかは、現場の水はけによって、粘性土・砂質土などの土質による影響があります。材料の成分から、水酸化カルシウムは当然含まれます。空気中の炭酸ガスは必ずあります。したがって、裏側から水が浸入しないようにすることが必要で、施工上の配慮が必要となります。

太陽光が当たり、乾湿の差が大きいと考えられる南側に、生じやすく、気温の高い夏季より、冬季の方が進行しやすいといった特徴があります。


写真1 アプローチ階段の土間タイルに白華プローチ階段の土間












写真2 土留擁壁をブロックで施工



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