• 玉水新吾

堀り込みガレージ上部に建物がある場合、取り合いはどうか


敷地が高く、掘り込み式のガレージがある場合の問題点です。鉄筋コンクリート製のガレージの上部に、建物がのっている場合に問題が生じます。建物の全体が、ガレージの大きさと同じ場合はよいのですが、大抵は建物の方がガレージよりも大きくなります。その場合に、ガレージの上にある部分と、ガレージにのっていない部分の取り合いが問題となります。建築において、常に取り合いは、問題となりやすいところです。取り合いの状況を目視します。基礎にひび割れが生じていないかを確認します。

 ガレージの施工中において、ガレージの寸法よりも、1m近くは、広めに掘り方をおこないます。施工するための空間が必要ですから。ガレージの施工終了後、埋め戻しをおこないます。つまり、強度のない盛土部分が生じます。いくら転圧したところで、ガレージの高さそのものが盛土ですから、元の“地山”とよばれるほどの強度はありません。ここで、基礎が折れる可能性があります。

 鉄筋コンクリート製ガレージ部分は強度があり、沈下しません。もとの土の部分は、本来の地盤強度です。取り合い部は強度がなく。大きく沈下します。地盤の強度に、3つのレベル差が生じることになります。最も沈下する部分に、約1m幅のスパン中央に、基礎杭を施工するような沈下防止対策をとっている場合は安全です。

地盤調査により、地耐力を判断しますが、建物全体に基礎補強杭を施工する場合には、1本補強杭を追加するだけで、同時施工ですから、大した手間も費用もかかりません。

地盤が比較的よく、基礎補強杭を施工しない場合、わざわざ、ガレージ取り合いの補強のために、業者を段取りして、少しの工事をすることになります。この場合は大変です。わずかの仕事のために、ひとつの業者を別に段取りすることは難しいです。したがって、転圧や栗石・砕石をいれるなどの対策で、補強することがあります。完全な補強にはなりませんから、弱点にかわりありません。

古い建物では、杭施工をおこなっていないことが多いです。

対策を講じていない場合には、基礎が折れて、ひび割れが生じる可能性が高まります。この場合は、乾燥収縮ひび割れといったものではなく、“構造ひび割れ”となります。掘り込みガレージがある場合は、必ず現場でひび割れがないかを確認する必要があります。

 敷地が狭小地の場合、建物と近接して、浄化槽などの設備を埋設する場合もあります。やはり同じ現象の可能性があります。浄化槽を埋設するために、その周辺を掘りますから、地盤に弱い部分ができます。部分的ですが、軟弱地盤の上に基礎をつくることになります。この場合には、基礎杭ほどの補強は不要ですが、基礎の底盤厚さや鉄筋補強などを考えておくべきです。建物竣工後のメンテナンス段階では、最初からやり直しは不可能ですから、不具合現象に対して、補強施工として対処することになります。


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