小屋筋交い・振れ止め施工はどうか

小屋裏には、筋交いを設けることになっていますが、住宅会社も明確な数値では表現せずに、バランスよく設置するというような、抽象的な表現にとどめていることが多いようです。筋交いは、構造部材ではありますが、壁の筋交いは、構造図面(伏図)に記載されても、小屋裏の筋交いは記載されないことが多く、現場で大工任せになっています。多く取り付ける大工もいれば、申し訳程度に取り付ける大工もいて、小屋束の両面打ちと片面打ちもあり、バラツキます。小屋筋交いは全く未施工、ということはほぼありませんが、指示する立場の工事監督も、大工にお任せで、注意しないことが多いです。

屋根勾配による、小屋裏の高さも影響します。急勾配で高さがあれば、筋交いも必要ですが、高さがなければ、筋交い取り付けのスペースが取れない場合もあり、どこに取り付けるか、ケースバイケースという感じです。

建築基準法施行令第46条第3項で「小屋組には、振れ止めを設けなければならない」と定められています。振れ止めは、各小屋束の下方を連結して、つなぐ部材です。振れ止めは、筋交いと小屋束の三つの部材で、構造的に三角形トラスを構成して、小屋組の変形を防止します。木造在来軸組工法の建売住宅では、振れ止めの未設置が実に多く見受けられます。振れ止めを適切に設置している同じ住宅会社であっても、古い建物では未設置が多いです。筋交いの施工だけで、振れ止めも完了しているものと、勝手に解釈している場合もありますから、要注意です。難しい仕事ではありませんが、住宅現場に従事する人の知識不足といえます。施工しなければならないものとの認識がないのです。

 住宅会社の標準施工マニュアルには記載されていても、現場ごとの構造図面に記載されないものについては要注意です。末端の職人までの教育は難しいのです。常時その住宅会社の仕事だけをしている職人は問題ないことが多いのですが、たまに仕事をする場合や、応援の職人は、親方次第になります。職人も仕事が切れると、生活費を稼がなければならない立場でしょうから、他の住宅会社の仕事をします。登録された職人は、仕事がなくても、待機してくれることはありません。


写真1 小屋筋交いの釘が1本のみ

小屋筋交いの材料は、貫材(15×90㎜)で固定しますが、薄い材料もあります。各小屋束との取り合いですが、釘を1本だけで固定しています。建築では釘が1本ということはありません。最低2本以上打ちます。







写真2 小屋筋交い有、振れ止め無

小屋筋交いのみを施工して、振れ止め材はありません。よく見られる事例であり、珍しいものではありません。特に古い建物では、振れ止め材施工はないことが圧倒的に多いのです。

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