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玉水新吾

床と壁の取り合い幅木下に隙間がないか

巾木の下と、フロアー材の取り合い部にも、時間の経過とともに、隙間があいてくることがあります。通常に見受けられる現象で、珍しいものではりません。基本的に建築では、隙間はない方が、気持ちがよいものです。しかも隙間は、均一にあいているわけでもなく、大きい小さいがあるから、目立ちます。

工法によりますが、床と壁の取り合いを、後からかぶせる意味で、巾木を取り付けます。巾木のない納めでは、より丁寧な仕事が必要になります。巾木の固定が、床側ではなく、壁側に取り付けることが多くなっています。材料の温度差・乾燥による収縮というよりは、床の下がりが原因の場合が多いです。そのために、床束は高さが調整できるものを使うことが多くなりました。

床が若干下がって、隙間が目立つというものです。入居者の説明では、隙間に10円玉が入るといわれます。隙間から、虫がでてくる気がします。この隙間から、石膏ボードの白い粉がでてくることもあります。気になりだしたら、気になります。

 住宅会社によっては、巾木の下に生じる隙間を見せないように、巾木の下部に、ゴムや樹脂がついたものを、部材メーカーにつくらせて、使うこともあります。頭のよい人もいるものです。アラをうまく隠します。建築では、“逃げをとる”といいます。「スカート付き巾木」ともいいます。あるいは、せい(高さ)の高い巾木を特注して、打ち替える場合もあります。構造強度には影響しないところですから、大した問題ではないのですが、入居者の理解を得ることは、難しいです。

1階の床については、建築基準法上は主要構造部ではありません。不同沈下による不陸というよりは、床束で高さの調整が可能です。木材を使う以上、材料誤差と施工誤差と合わせて生じるものであり、調整を行いながら、通常の生活に支障がないようにします。

品質管理の行き届いた工場内で、安定した材料を使って、製作することはなく、現場で職人が、材木という不安定な農林産物を、加工・組立するものであり、完璧なものはありません


写真51-1 巾木下隙間











右写真51-2巾木周り隙間

建具枠・巾木・床周りの隙間が大きいです。木部の材料は合板に化粧の樹脂フィルムを張ってあるもので、正味の木ではありませんが、相当年数経過しているものの、これだけの隙間は、見苦しいといえます。材料を取り替えるか、色合わせしたパテを埋めるかになります。


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