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玉水新吾

床下構造に白蟻被害はないか

白蟻がきたら、劣化の進行は早いといいました。そのために、メンテナンス担当者は、定期点検時には必ず、床下にもぐって確認します。入りにくいところに、わざわざ入るのですから、時間をとって、床面全面を確認したいところです。点検口から覗いて、「はい、大丈夫です」では、失礼になります。床下を点検した後、やっとの思いで、戻ると、かなりの入居者は「ご苦労さんです」といって、評価してくれます。このような姿を入居者が見ることによって、信頼関係は続いていくものです。

メンテナンス担当者は、あまり効率を求めてはいけない職業です。入居者との電話連絡・メール・現地訪問などの接触回数と時間を、増やすことが必要です。住宅会社によっては、メンテナンス部門の部署名を、サービス部というところもあります。メンテナンス担当者に、リフォーム受注などのノルマを課す会社もありますが、どうなるのかです。当然にメンテナンス業務を疎かにして、リフーム受注を追いかけることになります。

古い建物の床下環境には、驚くほど劣化している場合があります。雨水・結露水・水漏れなどの湿気があると、床下には白蟻がきます。“蟻道

をつくっています。腐朽菌やカビの発生もあります。点検口をあけると、匂います。床下に入りたくなくなります。逆に風通しがよく、カラカラになっている床下では、匂いもありません。

かなり昔から、訪問販売の白蟻業者は、悪質な手口として問題になっています。無料点検と称して、床下にもぐり、入居者の不安をあおって、不必要な工事契約を結んでしまうなど、その営業方法は、脅し商売といっても過言ではありません。訪問販売のリスクを含めて、考えなければなりません。

 本来なら、白蟻が再発した場合は、再施工の保証や、被害の賠償も、契約約款のなかで、確認しなければなりません。メンテナンス担当者が異常を確認してから、信頼できる白蟻業者に再確認します。蟻道を少しでも発見したら、即白蟻専門業者の出番になります。

現在の比較的弱い、環境にやさしい防蟻処理剤では、5年ごとに、再施工が必要で、10年もちません。白蟻業者とは、ながい付き合いになります。


写真1 床下の蟻道

ベタ基礎で乾燥状態もよい床下環境ですが、白蟻は侵入してきました。蟻道がで

きあがっています。床下点検時に見つけました。環境問題の激化から、防蟻材の

効力が落ちています。白蟻のリスクは増加しています。


                  




写真2 残った型枠からの蟻道

床下で基礎の型枠の残材を見つけました。床下の建築で使用した木材を放置すると、かなりの確率で白蟻を呼び寄せることになります。

雨水・結露・配管漏水による水分の供給か、木材の放置のどちらかが、白蟻侵入

の原因といわれていますから、要注意です。

           



写真3 整地されていない床下

築30年の古い家の床下です。環境はよくないことが多いです。布基礎のコンクリート品質は不良・束石歪み・整地レベル不良など、問題が多いです。床下の高さは比較的大きく、白蟻は侵入していません。

床下環境が悪いと、必ず白蟻がくるわけではありません。


               

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