• 玉水新吾

集成材(枠・額縁・笠木)のめくれがないか

建物の造作材として、無垢材ではなく、集成材が使用されることが増えてきました。造作材の含水率は15%以下と決められていますが、中には反り・ねじれなどの不具合が時間の経過とともに、発生してくる場合もあります。集成材は乾燥程度もよく、無垢材と比較して反り・ねじれは起こりにくいです。

 表面仕上げには、薄い化粧単板を張ったものや、木材そのものではなく、木目を印刷した樹脂が貼られている部材もあります。一見は木製に見えますが、偽物です。塩ビシートが多かったのですが、焼却時に“ダイオキシン”(人類が過去につくった最悪の物質といわれます)の発生が問題となり、塩ビが嫌われるようになり、今ではオレフィン系シートが多くなりました。いずれにしろ樹脂に印刷したものです。

 これは建築主からのクレームが大きな原因となっています。木材特有の節・脂壺などの欠点が小さなものであっても、許容されないのです。材料が現場に搬入された時点で、チェックできるかどうか、返品という判断をするかどうか、交換すると、納期が遅れます。○×の判断は難しいです。そしてその材料で施工した結果、建築主から×と判断された場合には取り替えになります。一度つくったものを解体撤去して、新材料を手配して、新規に施工し直します。はっきりいって大変な労力とお金と時間がかかります。住宅会社は過去に何度も痛い目にあってきました。

 その結果、クレームが極めて少ない材料として、樹脂に印刷されたものを張った木もどきが使用されるようになりました。味気がないと思いますが、確かにクレームは減りました。事前に「このような材料を使用することになっています」と説明をして、現物のサンプルを見せておくと、納得です。建築主が気にいらなければ、この時点で明らかになりますから、問題になりません。

 樹脂を貼り付けた工場製品ですが、化粧の樹脂がめくれる場合もあります。内部の合板が露出して、見苦しくなります。材料メーカー経由で、樹脂を張る専門家がいますから、補修依頼します。入居者の前で、補修するのは辛いところもありますが、割り切って素早く段取りします。



写真55-1 室内の建具枠に、樹脂フィルムを張った化粧枠

室内の建具枠ですが、木製の化粧枠です。枠内部は合板に、表面仕上げは樹脂フィルムを張った木調です。接着が悪いようで、めくれてきました。






写真55-2 樹脂フィルムを張った化粧枠のめくれ

化粧枠ですが、見た目は木製品です。木もどきです。樹脂フィルムがめくれてきてクレーム化しました。製品としての保証期間は2年です。

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