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02建物基礎取り合い部に亀裂や陥没がないか


建物基礎と地面の取り合い部に、亀裂や陥没を見うけます。それは、工事中に基礎を施工する際、掘り方をおこないます。基礎完成後に、埋め戻しますが、盛土状態ですから、沈下がおこるのも当然です。転圧が不十分ということですが、長期間経過による落ち着きとは異なり、若干の沈下はあります。

 基礎周囲に犬走り(土間コン)を施工すると、盛土状態の軟弱地盤の上に土間コンを施工した状態になり、ひび割れや、基礎と土間コン取り合い部に、隙間が発生することになります。したがって、外構工事に犬走りが含まれる場合には、要注意です。犬走りが契約に含まれてない場合には、時間が経過して落ち着いてから、施工する方がよいかもしれません。犬走りの下部には給排水管の施工もあり、沈下の可能性が大です。充分な転圧と一言でいいますが、現実は、短時間で落ち着いた状態にすることは難しいのです。

 

勝手口の踏み段にもよく見ます。踏み段のコンクリート架台と、基礎立ち上がりの取り合い部に、隙間ができています。

踏み段がモルタル仕上げの場合は、まだ補修しやすいのですが、高級なタイル仕上げをする場合、補修がやりにくく困ります。最初から一体化させずに離して、基礎と縁を切っておくという手もあります。

当然におこる現象ともいえますから、あらかじめこのようなことが発生する可能性もあると説明しておくべきです。現実には、不具合現象が発生してから、その理由を説明することが多いのですが、入居者の納得を得ることは困難となります。事前説明なら問題になりません

通常の住宅では、基礎立上がり幅は150㎜です。古い建物では120㎜幅でした。昔は120㎜幅でも正解でしたが、最低150㎜でないと、基礎鉄筋の補強筋のかぶり厚を考えると、余裕はありません。現場には必ず、施工誤差というものが生じます。品質管理の行き届いた工場製品とは異なります。入居者の職業によっては、建物そのものが、あたかも工場製品であると勘違いする入居者も多いのです。

基礎立ち上がり部に“ホールインアンカー”を施工します。ホールインアンカーとは、基礎コンクリートにドリルで穴をあけ、鉄筋を差し筋して、固定します。この鉄筋を踏み段の配筋と連結します。これが無難な施工方法となります。この鉄筋が施工されていないことが通常で、その場合には、踏み段と基礎の間が離れていきます。

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