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オーバーフロー管があるか

バルコニー内部に入った雨水は、ドレンから排水されますが、落ち葉などで、詰まることが考えられます。居室の前に、バルコニーは設置されますから、入居者が異常に気付く場合が多いと思います。家に寝に帰るだけという場合が増えていますから、気付かないこともあり、水が溜まったまま放置されます。

バルコニーが長く、両サイドにドレンが2箇所設置されると、2箇所とも詰まる確率は低いでしょうが、1箇所だけに負荷をかけると、リスクになります。そのときのリスク回避策として、本来のドレン排水以外に、オーバーフロー管を設置する住宅会社が増えてきました。住宅会社が痛い目にあった結果、改善されてきたのでしょう。

FRP防水工事の後からでは、オーバーフロー管を追加設置できませんから、設計段階で考えておかなけれなりません。入居者は気にしないことであり、設置すれば、コストもかかるわけで、住宅会社としては、コストダウンの対象になりやすいところです。

防水は施工の順番が重要ですから、前後をかえるわけにはいきません。メンテナンス段階では、追加設置できませんので、オーバーフロー管が設置されていない場合には、バルコニーに落ち葉が溜まっていないか、排水が良好か、入居者に管理するように説明します。未設置といっても、設計と契約の問題であり、必ず取り付けなければならないものではありません。

オーバーフロー管が設置されていないからといって、FRP防水を破って、追加設置することは、防水性能の点で、マイナス面も大きく、雨漏りリスクを背負うことになりますから、行ってはなりません。責任問題になりますから、入居者による管理の充実を依頼することになります。

解決方法は1つではありません。既にできあがった建物で、通常の生活をおこなっている場合で、構造上の安全が確保されるならば、完璧ではなくても、管理をおこなえば、問題は解消することは多いです。メンテナンス担当者として、技術的かつ現実的に妥当な判断をして、入居者にアドバイスしたいものです。



写真41-1 バルコニーのドレン排水縦引き菅とオーバーフロー菅










写真41-2 バルコニーのドレン排水横引き菅とオーバーフロー菅

上の2枚の写真は、新築住宅のバルコニーにおける、ドレン排水です。排水は縦菅と横菅の2種類があります。横菅の場合は、排水勾配の関係で、水が溜まりやすいです。

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