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オール電化のリスク

オール電化住宅”は、家庭内で用いる全てのエネルギーを電気に統一した住宅で、ガスを使用しないことが条件です。ガスを使う対義語には、“ウィズガス住宅”と呼ばれます。

深夜電力の金額は、政策的にコストも大幅に安くなるように、設定されており、200Vの電気では火力も強く、近未来住では、エネルギーとして、ガスは不要との声が多くなりました。

 給湯は深夜電力の温水器、調理はIH調理器、冷暖房はエアコン・床暖房などを組み合わせます。最新の設備ということで、マンション販売でも、オール電化住宅は、付加価値が高いとされています。

2011年3月11日に、東日本大震災が発生し、福島県の原子力発電所に被害が発生しました。壊滅的な打撃であり、今後日本では、原子力発電所の新規の建設は事実上不可能となりました。原子力発電は、コストが安いという触れ込みでしたが、想定外の事故だったために、廃棄コストを計算にいれていなかったようです。

オール電化推進を大きく宣伝していた電力会社は、消費者に対し、節電要請を余儀なくされ、オール電化を宣伝しなくなりました。基本的に、住宅で使用するエネルギーを1つに絞ると、リスクになることがわかりました。リスク分散として、電気とガスの2本立てがよしということです。

 リスクの問題は別として、オール電化の便利さは人気があります。ガスによる火力は強く、電気による火力は弱いというイメージがありましたが、200Vの火力の強さは目を見張ります。調理の時間の短縮もかなりのものです。火災に対する安全性が高く、住宅ローン金利優遇や、火災保険割引などもあります。

 リスクがあるとしても、想定されたリスクなら問題ありません。メンテナンスの立場としては、設備機器に関しての保証期間は、設備メーカーの保証になりますので、お任せが多いです。建築では対処できないので、設備メーカーに依頼することになります。直接建築主と連絡をとって、対応してくれることが多いです。設備の進化は著しく、旧機種は廃番となりますから、部材の供給期間も制限付きになります。

オール電化住宅の場合、給湯・暖房・調理を電気でおこなうことになります。深夜の安い電気代によって、高温のお湯をつくり、大きなタンクに貯湯し、使用時には水で薄めて使用します。通常は深夜電気が安くなるオール電化契約をしています。460リットルくらいの大きなタンクの設置スペースも必要です。

電気は給湯以外にも使用します。一日中家にいたり、昼間もエアコンや照明など長時間電気を使う場合は、この料金体系のメリットをいかすことができなくなります。逆にランニングコストが高くなることになります。昼間に大量のお湯を使ってしまい、さらに沸かすときも、昼間の料金単価の高い電力を使って、お湯を沸かすことになります。住まい方に影響されますので、逆に割高になる場合もあり、検討を要します。

いったんオール電化にしてしまうと、またガスを使いたいと思ってもすぐに戻ることはできません。一度決めた熱源方式を変更するのは容易ではなく、途中からガスに変えることは困難です。



写真1 オール電化住宅の相談


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