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テレビアンテナ取付けのワイヤーによる雨垂れはないか


テレビのアンテナ工事は、街の電気屋さんの仕事であり、建築とは切り離すことが多く、別途工事になります。アンテナを設置する際に、風で転倒しないように、固定する必要があります。屋根面には、取り付けに適当なところはありません。そこで、軒樋の取り付け金物に対して、四方からワイヤーで張ることがあります。「納まり」としてはうまくいきます。ところが雨の日には、その取り付けたところから、滴が滴り落ちることがあります。別に、どうというほどのものではありませんが、気になりだすと気になり、クレームになることがあります。原因を説明すると理解してくれます。建築側の責任ではなく恐縮されます。

 軒樋の取り付け金物に、アンテナ取り付けのワイヤーで引っ張ると、風圧により、軒樋の勾配が変わる可能性があります。もともとの軒樋勾配は1/50~1/100程度ですから、若干引っ張られると、微妙に勾配が変わり、軒樋に雨水が滞留するようになります。建物に水溜りができることは避けたいところですから、建築側として、この点は困ります。

 したがって、軒先の鼻隠しや、破風板部分に、軒樋取り付け金物とは別に、固定して欲しいものです。わざわざ、他人の行った仕事に対して、アンテナを取り付けなくてもよいと思います。面倒くさいということで、人によるバラツキがここでも生じます。

竣工引渡し後に、建築主が電気屋を段取りして、アンテナ工事を行いますから、建築屋とはコミュニケーションもとれません。メンテナンス担当者としての立場上は、建築主に指摘しておくだけになります。

 建築時の外部仮設足場を利用して、アンテナ工事を行うことができると、電気屋も安全上よいはずです。足場のない屋根に上ることは、電気屋としてもリスクも伴います。以前に建築主に対して、提案をしたことがありますが、実際に建築途中にアンテナ工事を行ったことはありません。建築の職人も電気屋の職人も、双方が嫌がるようです。職人同士の人間関係は、難しいものの1つです。ただ、このような提案をするだけで、メンテナンス担当者としては評価されます。採用するかしないかは、入居者だけが判断できます。


写真2 テレビアンテナのワイヤー


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