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ドクター雨仕舞い 外壁 雨漏り事例 庇(ひさし)

Updated: Apr 6, 2021


窓や出入り口などの開口部の上部には通常、庇を取り付けます。霧除け(きりよけ)と呼ぶ場合もあります。意匠上、庇を取り付けない場合もありますが、小窓を除いて、出入り口や掃き出し窓・中連窓といった人が頭を出す開口部には、雨垂れを考えると本来は取り付けるべきものでしょう。 設計者は庇を好まないようですが、入居後に雨垂れによるクレームになる場合があります。 この庇もまた雨漏りの可能性の高い部位になります。庇の取り付けを慎重に行わないと雨水を呼び込む結果になります。庇には若干の勾配はあるにしても、やはり水平に近い部材ですから、確実に雨水を受けます。庇の部材形状と取り付け方が問題となります。

庇の確認事項を記載します。 ①庇の立上げに必要な高さがあるのか? 庇の奥側(外壁側)の立上げ部分に上からアスファルトフェルトをかぶせてきます。したがって、後からでは見えない部分になります。 見えない部位だからこそ、しっかりと重ね高さを確保したいものです。立ち上がり高さは最低50㎜以上が必要です。 雨漏り性能上は、立ち上がりが高いほど良いのですが、この部分は板金でタッカーが打てませんから、高ければ高いほど良いわけでもありません。入隅の取合いに庇がくる場合は特に問題です。立上げが両面に必要だからです。 板金部分を取り外してみますと、やはりコーナー部分が連続していません。一番肝心なコーナー部分のツバがない状態で現場取り付けしなければなりません。この部分に防水テープを現場の職人が無理やり張り付けることになります。穴を開けることなく防水することは難しいのです。そして結果として雨漏りです。


②庇部材の入隅コーナー部分の加工が適切にできているのか? 通常の庇部材では単に入隅部の鉄板を折り曲げただけの部材が多いのです。 入隅コーナー部はカットされたままです。これではいざというときに雨水を呼び込みます。 一度雨水を呼び込みますと、そこが水の通り道になり、継続的に雨漏りします。 コーナー部分は一体に加工される必要があります。要は水が滞留しても、漏れない性能が必要です。 雨水が庇の板金の隙間からこぼれてはいけません。意匠上、庇を薄くして目立たないデザインが好まれます。庇の板金立上げ部分は外壁仕上げ材により隠れるわけですから、強度上・雨漏り対策上しっかりとしたものが必要です。 ③庇部材端部は折り返しがあるか? 入隅ではない通常の壁面に、庇を取り付ける場合でも、庇部材の奥側端部を検証します。この折り返しにより、水を外部(手前)へ排出します。折り返しがない場合は、ここから雨水が排出されにくく、場合によってはアスファルトフェルト内部に水がまわる可能性があります。 ④取り付け方は防水テープをはっているか? 庇の立上げ部分に両面防水テープを張ってから、アスファルトフェルトを上からかぶせます。庇立上げ部分とアスファルトフェルトが一体になり、毛細管現象で水がまわらないようにします。


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