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バルコニードレンまわりはどうか


バルコニーはトラブルの多いところです。住宅の南面に設置することが多く、雨と紫外線による劣化が激しいです。バルコニーの建設費は、かなりかかっているのですが、奥行きの小さいバルコニーは使いにくいようで、洗濯物干し程度で、積極的に活用されていません。しかし、劣化の進行で考えると、定期点検時には必ず確認しておくべきところです。特に排水口となるドレンまわりが重要です。

 住宅で多用される防水はFRP防水です。その上に、耐火性・化粧性の確保のために、化粧ブロックが設置されていることもあります。現在は、認定が緩和され、FRP防水露出でも可能ですが、昔はブロックを、耐火被覆の意味で、防水の上に設置しなければなりませんでした。ブロックには防水性能はありませんので、耐火性能確保が目的です。

 FRP防水が露出している場合には、掃除が楽ですが、上にブロックが設置されていると条件が異なります。FRP防水の上は、水が流れるところですから、流れるスペース確保のために、メッシュを敷いた上にブロックを設置します。それでも、水が流れにくいです。多くの場合、ヘドロ状態になっています。耐久性上、よいはずがありません。

入居者はまず、ブロックをはがして掃除することはありません。メンテナンス担当者による定期点検時に、ぜひはがしたいところです。メンテナンス担当者が忙しい中、面倒くさいということで、省略されがちです。メンテナンスという仕事の特性上、面倒くさいという感覚は、排除しなければなりません。入居者との点検約束の際には、それなりの時間を確保しなければなりません。効率ばかり優先してはなりません。是非ともブロックをはがして、入居者に現状を見せておくことです。掃除はされなくても、見せておくことに意味があります

 特に雪国では、苔が生えていることもあります。常時積雪状態ですから、バルコニー腰壁が浸水していることになります。外部にはねだしているバルコニーは被害が少ないですが、下部に居室がある場合には、リスクになります。FRP防水の防水性能向上により、下部に居室を設計することが増えてきたと説明しました。


写真40-1 バルコニードレンまわりの水溜り

バルコニードレン周りは、常時湿潤状態になっています。落ち葉の堆積や苔も生えています。このような状態で放置され続けると、劣化も進行しやすくなります。居室の前にありますから、点検しやすいはずです。



写真40-2 化粧ブロック下メッシュ  











写真40-3 ヘドロの溜り

化粧ブロック下のメッシュは、防水層となじみやすく空間を設けて、排水しやすくしています。一方で、ヘドロの堆積があり、点検が必要です。放置して、詰まっていることもあります。

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