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バルコニー掃出しサッシ下端はどうか

バルコニーからの雨漏りで、リスクのトップクラスにあるのが、掃き出しサッシ下端です。バルコニー土間とサッシ下端の寸法が小さく、施工しにくいこともありますが、不安要素が多くあります。

防水施工とサッシ枠取付けの順番が問題となります。サッシ先行、防水後施工の場合には、アルミサッシとFRP防水が、時間経過とともに、遊離してくる可能性が高いです。つまり強風時に雨漏りになります。防水施工には必要条件である、一体化がしにくいのです。この施工をされている場合には、メンテナンス担当者は定期点検時には、防水状況をチェックしなければなりません。そのために、バルコニー土間に、顔をくっつけては見にくいので、ミラー持参が必要となります。一方、防水先行、サッシ後施工の場合には、防水の順番としては妥当な施工方法になりますが。防水施工を待ってからサッシを付けるため、大工は嫌がります。防水として、水が流れるように施工するため、この施工手順が正解となります。

サッシ枠の下端の、固定の問題があります。正解である、防水先行、サッシ後付け工法の場合、サッシ下端のツバ部分に、固定のための釘を打ちます。その釘は防水に穴をあけることになるため、防水屋から嫌がられます。現実には、釘の高さまで水が滞留する可能性は少なく、不安であれば、捨てシーリングをサッシ下のツバ部分に入れてから固定すると、ある程度のシール性が確保できます。施工の順番は、防水先行を採用すべきです。

サッシ枠下部コーナー部の水密性能の問題があります。サッシ枠は、ガラス屋の組立て工場で、組立ててから現場に搬入します。大工が取付けますが、その際、持ち運びに多少の歪みもあります。材料の傷は確認しますが、水密性能までは確認しません。取付け完了し、竣工します。途中は誰も確認はしません。入居後、室内が湿ってくるという始末に悪いものです。メンテナンス担当者としては、疑うべきポイントになります。紙粘土で、サッシの溝に土手をつくって、水をいれてみると、その水が無くなる場合があります。珍しい事例ではありません。

バルコニーの掃き出しサッシ下端は、メンテナンス担当者泣かせの、とにかく問題の多いところといえます。


写真42-1 サッシ下端に鏡を











写真42-2 サッシ下端を鏡で確認













写真42-3 水を溜めて検証











写真42-4 サッシ下端から水漏り














写真42-5 防水先行サッシ後付け












写真42-6 サッシ内まで防水施工


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