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内部に雨漏り跡・結露跡はないか

「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(通称:品確法)が2000年4月に施行されましたが、建物の重要事項である、構造と雨漏りの2点については、保証期間が10年間とされています。ここでは雨漏りです。

建物内部に雨漏りの兆候があるかどうかは、入居者に確認しなければなりません。現実にその建物に居住している入居者でないと、わかることではありません。入居者は掃除するときに異常を見つけやすいです。

ポタポタと落ちてくる雨漏りは、すぐにクレームがつきますが、何となく異常という程度の気づきにくい雨漏りもあります。雨が降り始めて、相当時間経過して、漏り出す場合もあります。風向きによって漏り出す場合もあります。強風時のみ漏り出す場合もあります。条件により、雨が漏る場合と漏らない場合に分かれますから、入居者からの聞き取り調査が重要です。点検時間のうち、入居者が喋る時間を増やす努力が必要です。技術屋はつい、自分が喋ってしまいますから、気をつけなければなりません。

不具合の原因が、雨漏りではなく、結露の場合もあります。同じ水ですから、結果は同じですが、原因究明の際、雨漏りばかりを考えていては、見逃す場合があります。雨漏りを1次原因、高い気密性のために、排出できない湿気が、結露するという2次原因の場合もあります

 入居者によっては、わずかの異常であっても、すぐにクレーム化するひともありますが、放置するひともあります。雨漏りは放置すると悪くなる一方で、最悪状態になってから、連絡してくる場合もあります。「保証期間内だから無償で補修せよ」といわれても、住宅会社側も大きな被害になってからでは困るのです。

定期点検時になるべく、入居者が異常と感じることをうまく聞き出す必要があります。日頃から、相談しやすい雰囲気をつくっておくべきです。どこの会社も、効率を求めますから、原則暇な時期は多くありません。常に忙しいと感じているハズです。忙しいと、入居者から相談があっても、つい、ないがしろに扱ってしまう場合があるかもしれません。メンテナンス担当者として、心しておかなければなりません。入居者が一度そのような雰囲気を感じてしまうと、相談しにくくなります。



写真57-1 長期間にわたる室内の雨漏り跡

雨漏り補修がうまくいかずに、長期間にわたり、放置された雨漏り跡。

カビの発生は健康を害することになります。室内に雨漏り跡

大手ハウスメーカーの現場で、数箇所の雨漏りが常時発生、10年保証期間は過ぎているが、補修と雨漏りを繰り返している。


写真57-2 室内に雨漏り跡

大手ハウスメーカーの現場で、数箇所の雨漏りが常時発生、10年保証期間は過ぎているが、補修と雨漏りを繰り返している。

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