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小屋組プレート金物類の異常はないか

小屋裏空間には、各種プレート金物類も多く取り付けられます。T型・L型・I型・ヒネリ金物などのプレート金物類で、部位により使い分けます。固定は釘・ビス・スクリューネイルなど金物に応じた認定品を使用します。認定された構造金物には、釘の種類も本数も決められています

 基本的に小屋束を固定する際には、上部に2箇所、下部に2箇所の金物で固定します。ホゾ・ホゾ穴は、計算上は無視して、金物を併用します。現在では必ず金物で固定することになっていますので、金物不足や、釘本数不足、認定外の釘使用などは不可となります。

 右の写真は、大きな構造材の丸太を梁として使いましたが、小屋束を取り付けるときに、小さなカスガイを打ちつけました。構造丸太の乾燥収縮に伴って、ボルトのナットは大きく緩み、小屋束は浮き上がり、カスガイは引っ張られて切断してしまいました。小さなカスガイ金物が、材の大きさに負けています。せっかくの立派な材料を使いこなせていない結果になりました。適材適所でなかったことになります。

昔の大工が、金物持ちで、施工すると、このようなことが発生します。安い金物を少し施工します。大工の請け取り金額から金物代をだすのですから、そうなります。最近は住宅会社が金物を支給するようになりました。大工は、現場に支給された金物を施工するだけです。住宅会社の発注システムにより、現場状況は変わりますから、メンテナンス担当者として、勘案しておくべきことになります。

 住宅会社は、何回もトラブルを経験して、現在のシステムになっています。つまり、マニュアル化です。誰がいつ施工しても、合格になるように、決められた部位に決められた金物を、しかるべき数量取り付けると合格になります。職人によるバラツキがないわけです。

味気ないといえばないのですが、構造検査で問題ないのは、結局マニュアル化になります。ハンバーグのマクドナルドのサービスが最高と言われますが、それ以上でも、それ以下でもない想定通りのサービスです。高級店でも低級店でもない期待通りです。住宅会社では、品質のバラツキは困るのです。



写真70-1 カスガイ切断・ナット浮き

大きな丸太の梁に、小屋束を取り付けています。金物は小さなカスガイです。丸太の乾燥収縮に負けて、切断しています。金物が切断するぐらい乾燥収縮は凄いものです。

右のボルトのナットも大きく離れています。最初から締め忘れではありません。

               



写真70-2 丸太梁~小屋束カスガイ切断

それにしても小さな平カスガイです。けちったという感じです。せめてT型金物でも取付けていたら、問題にならなかったでしょう。木材に見合う金物が必要で、適材適所で

す。この建物を施工した大工はいつもの仕事をしたのです。他の現場も同じようになって

いるハズです。

              


写真70-3 プレート金物・ヒネリ金物

大手ハウスメーカーの建物です。マニュアル化されており、支給部材を決められた場所に取り付けます。ながい歴史のなかでできあがってきたシステムでしょう。ただし、施工時期により、改善改良が加えられていますから、すべての現場が同じというわけではあ

りません。

               

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