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屋根トップライトと屋根材取り合いはどうか


トップライトは、屋根に穴をあけて採光をとるというもので、窓からの採光と比較して、3倍の開口面積として、計算されます。小さな開口面積であっても、この明るさは素晴らしいものです。隣と視線を合わせることもありません。トップライト大好きな方は多く使います。

その反面、雨漏りリスクは高まります。屋根に穴をあけるわけで、トップライト部材と屋根面との取合いですから、雨漏り条件は最悪です。トップライト部材の高さでは、大きな立ち上がり高さが確保できずに、下葺き材と防水テープと板金のコラボレーションで納めます。


トップライトのコーナー部4箇所の施工は、特に配慮が要求されます。この部位は、通称“3面交点”と呼ばれるところで、屋根野地板・トップライト立ち上がり直角2面の、合計3面が接触するところです。1枚の防水紙だけでは、完全に施工できません。職人の仕事をこっそりと、見ていると、カッターナイフで切って、簡単に折り曲げて施工しています。3面交点の中心部には、ピンホールができて、穴があいています。雨漏りの可能性の高い部位です。



捨てシーリングの施工、樹脂製役物の採用、伸縮性のある防水テープの採用など、それぞれ工夫して納めます。方法は1つではありませんが、施工を担当する技術屋としては、雨漏りしたら負けということです。雨漏りする可能性の高い部位ですから、念入りに劣化の程度を点検します。

トップライトのガラス面の、表面結露の心配もあります。


特にキッチンにトップライトをつけると、料理の水蒸気が大量発生して、ガラス面が結露だらけになります。ガラスはペアーガラスになっているのですが、水蒸気量が多く、温度差があれば、結露します。トップライトの設置位置は、天井よりも高い位置が多く、結露水を拭き取りにくいので、放置されがちです。ガラス面の勾配に沿って流れた結露水は、隙間から内部に浸入します。毎日繰り返されると、すぐに木部は腐り、腐朽菌・黴につながり、入居者の健康に悪影響をおよぼします。

 トップライトは採光として、部屋の雰囲気として、人気があり、素晴らしいものですが、その分、雨漏り対策はしっかりとしなければなりません。

写真1 瓦屋根のトップライト  写真2 木製トップライト結露

写真3 トップライトの劣化   写真4 トップライトの雨漏り

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