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屋根材にヒートブリッジはないか


屋根材に結露が発生していることがあります。くっきりと垂木のラインが見えています。外気の温度と、小屋裏内部の温度の差によって、結露が発生するかしないかが決まります。外壁の“ヒートブリッジ”(熱橋)は、よく見かけますが、屋根のヒートブリッジは珍しいです。

屋根全体ではなく、部分的ですから、小屋裏が吹き抜けになっており、天井が斜め勾配天井になっている場合、屋根の断熱性能が悪いと、このような現象が生じます。


通常の住宅では、2階の天井に、断熱材を全体に、敷き詰めます。屋根の直下には断熱材がありません。住宅では、屋根断熱ではなく、天井断熱が通常です。つまり小屋裏の温度は、外気の影響を大きく受けますから、屋根面との温度差はなく、屋根面には結露しません。

内部が吹き抜けとして、居室の温度になっていると、屋根面では、外気との温度差が大きくなります。結露は部分的ですが、施工の悪い部分のみの結露発生ではないので、斜め天井部の断熱材が薄いか、入っていないかなどが考えられます。

斜め天井部分は、大工職人が断熱材を施工しにくいところです。 天井に入れる断熱材は、ロックウールかグラスウールが多いです。大工が天井施工時に、断熱材も順番に入れていきます。小屋裏に上がってみると、隙間や重なりがあり、うまく施工できません。施工しにくいからといって、隙間だらけでは困りますので、丁寧な施工が求められます。

ヒートブリッジの発生は、断熱性能の悪い家といえます。エネルギー問題の激化からも、高気密・高断熱住宅が、現在では当たり前のようにいわれています。冷暖房効率が悪く、光熱費も割高になります。

室内外で温度差がある、夏場も冬場も、結露は発生します。例えば、冬場は、外気0℃で室内が20℃、温度差は20℃になります。夏場は、外気が35℃で室内がクールビズ推奨の28℃、温度差は7℃になります。つまり冬場の温度差の方が、夏場よりも3倍大きくなりますので、夏結露よりも冬結露の方が、影響が大きいことになります。この家も夏場には発生していません。


写真 冬の寒い日に、屋根のヒートブリッジ

屋根面における、温度差による結露現象です。結露しているところは、室内温度で暖かくなっています。その他は小屋裏温度になっています。


屋根のヒートブリッジ

垂木のラインがくっきりと見えています。敷地の温度条件に対して、配慮がなく、断熱性能が悪いということになります。

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