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屋根材の劣化状況はどうか



入居者が気付きにくい場所になりますが、瓦やカラーベストなどのスレート類の屋根材を、目視確認します。ひび割れや、ズレ、欠け、退色状況の確認です。屋根の上に上がるために、スライドハシゴを持参します。墜転落災害をおこさないように、安全上の配慮が要求されます。スライドハシゴを上って、屋根の上に上がるのは結構怖いです。年配者の場合には、若い人に比べ、災害の可能性が高く、特に気をつけなければなりません。

6寸勾配以上の屋根の場合には、労働安全衛生法により、屋根足場の設置が要求されますので、屋根の上に、上がることはできません。離れて目視確認する程度になります。

屋根材は、外壁材に比較して、雨と紫外線が直接あたり、最も多く影響を受けるところですから、劣化の激しいところになります。通常、10年目と20年目には、屋根材の塗装、その他の補修工事が必要とされています。30年目に、全面葺き替えというのが標準サイクルです。

屋根材の退色などの、表面的な劣化については、直接雨漏りにつながるわけではなく、見栄えが悪いだけです。雨漏りは2次防水に相当する、アスファルトルーフィングなどの下葺き材によります。下葺き材の上には若干の雨水が流れます。1次防水に相当する、屋根材だけで、雨漏りを防ぐわけではありません。1次防止+2次防水のセットで考えています。目視では、肝心の下葺き材の、劣化の程度まではわかりません。点検時に仕上げ材を外して、その下まで見ることは事実上不可能です。屋根材の劣化状況から推測するわけですから、現実に雨漏りが発生していなければ、しばらく現状のままで様子をみましょうという結論になります。

 屋根材の、苔・藻・カビの類については、外壁同様、高圧洗浄で落とした後、防黴剤塗布、塗装の順番になります。新規受注が難しくなってくると、住宅会社では、仕事の確保の意味で、メンテナンス・リフォームに力を注ぎます。吹付け補修などの有償工事の営業に邁進します。技術屋としては、単なる営業だけではなく、入居者の気持ちをふまえ、劣化状況とメンテナンスの必要性とコストを、総合的に判断して、より適正な提案を行わなければなりません。


写真:スライドハシゴで屋根に向かって出陣

屋根に上がる時には、安全上の配慮を。年配者は特に気をつけます。屋根勾配が6寸以上になると安全上、屋根足場が必要となります

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