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床下に給排水漏れがないか

床下に排水が長期間漏れていた現場がありました。基礎はベタ基礎ではなく、布基礎でしたから、床下の地面に自然に浸透していました。溢れることがなかったから、入居者も気づかなかったのです。雑排水ですから、悪臭がするはずですが、放置され続けました。あるときに、メンテナンス担当者が床下にもぐったときに、発見しました。長期間排水管が正常に排水されずに、垂れ流し状態でした。メンテナンス担当者も驚いたと思います。入居者も報告を聞いて、床下に溜まったヘドロを見て、びっくりしたはずです。

原因は、排水管が接続していなかったのです。住宅会社の決算期に、間に合わせるために、見えるところだけを、とりあえず完成させます。決算期の検査が済んでから、本来の接続工事を行うはずでした。ところが、忙しさのあまり、そのまま接続されたものとして、引き渡したものです。工事監督も排水を全箇所検査しませんでした。本来なら、2人1組になって、全会所の蓋を開けて、1箇所ずつ排水を流して、流れることを自分の目で確認します。もっとも洗濯機の排水は、ホースを準備しないと確認しにくいのですが。排水管未接続とは、プロとして、とんでもないことです。通常は、異常が発生し、入居者から即クレーム電話がかかってきます。

 “住宅会社の決算期”とは何か?会社の決算がなぜ建築主に関係あるのか?3月の本決算と9月の中間決算というパターンが多いのですが、決算に間に合わせるために、工事を前倒しして無理やり竣工します。該当支店の各責任者の評価につながります。次の人の評価は関係ありません。自分の担当する期間内に業績を上げなければなりません。給料やボーナスに大きく影響します。メンテナンス担当者としては、決算期対策を講じた現場には注意する必要があります。

ビジネスの世界では、無理した仕事は良いわけがありません。工期がズルズル延びることは不可ですが、無理を通り越して、無茶な工期で施工する場合があります。乾かないうちに次の工程に進みます。検査をせずに、次の工程に進みます。材料搬入の都合で、工程が前後します。職人不足で、慣れていない職人に施工を任せます。住宅では、決算期は、工事の癌です。



床下で発見した保温されていない給湯管

人目のつきにくい床下ではとんでもないものを発見することがあります。保温材をけちったのか、仕事がイヤなのか、無茶苦茶です。







写真 良好な床下環境

カラカラに乾燥した床下です。水漏れや結露がなく、湿気を感じないので、良好な床下環境となります。床下に入っても感じの良いものです。


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