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換気レジスターは作動するか


建物の維持管理には、換気が必須条件となります。留守で、長期間換気されずに放置された家の傷みは早いです。通常は、給気・排気用のレジスターが開いたままでよいのですが、強風時の雨降りでは、閉鎖することになっています。理由は、雨水が浸入するからです。

強風時以外は開にしてください

上記のようなシールが張ってあります。雨水が浸入して、濡れたままで、放置することは不可です。逆に、雨水の浸入を気にして、常にレジスターを閉じたままでは、換気しませんから不可です。雨水の浸入と換気は相反する要求です。

 レジスターも時には開閉作動をしないと、固くなって動かなくなっている場合もありますから、入居者に対し、雨水と換気の注意を喚起します。中には、冷気が入って寒いからという理由で、レジスターを目張りして塞いだままという場合もありますが、良い住まい方ではありません。

換気は結露防止につながり、建物の耐久性に大きく影響しますから、入居者による管理は重要です。

 古い建物では、キッチンの給気用換気レジスターの位置が、冷蔵庫の後ろに設置されている場合がありました。キッチンでは、オール電化住宅を除いて、ガスを使うことが通常で、給気が条件となります。ガス会社から給気口設置を指示される場合もあります。食器棚の位置を考えると、キッチンには、外壁に面して、レジスターを設置できる壁がないことが多いのです。ということで、冷蔵庫の裏に設置されました。付けたら文句ないだろうという発想です。事実上開閉はできません。中には、壁に付け忘れて、後からガス会社から指摘されて、冷蔵庫の下の床に、レジスターをつけた担当者もいました。念のため、いっておきますが、決してワタクシではありません。そんなことしたら、床下から防蟻薬剤が室内に、侵入してくるではないですか。

 新しい建物では、24時間換気が義務付けられ、レジスターの数も多くなりました。中には広い部屋では、2箇所設置されることもあります。

 エネルギー問題の激化から、高気密・高断熱住宅が多くなっているいま、“相当隙間面積C値”という指標が、気密性能の目安とされています。建物の延床面積120㎡の建物の、相当隙間面積は、C値2.0の場合、建物全体で240㎝2存在すると言うことです。 C値が小さいほど、気密性は高くなります。多くの一般地域では、5.0以下を気密住宅と規定されていますが、北海道・青森・秋田・岩手県などの寒冷地では、2.0以下と規定されています。数値化されると、住宅会社は競争しますから、最近では、1.0や、中には0.5といった超高気密住宅も珍しくありません。専門家は1.0以下を推奨します。基本的に、中気密ではなく、高気密の方がよいのです。よく使われる例ですが、穴のあいたストローでは、水が吸えないということです。

 ところが、換気レジスターを1個設置すると、大幅に隙間はアップすることになりますが、気密性能の測定をする場合には、レジスターはビニールで目張りして、空気が漏れないようにして測定することになっています。意味ないではないかという意見もありますが、隙間は減らして、計画的に換気ルートを設計しようというわけで、建物の性能としての隙間面積を評価します。


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